はじめに
手元に、まとまったお金があります。
- 繰り上げ返済に回すか
- 株式投資に回すか
決められないまま、口座に置きっぱなしになっていませんか。
私も、同じところで止まりました。
調べても、どの記事も同じ終わり方をします。
- 「金利と運用利回りを比べましょう」
- 「ご家庭の状況によって、答えは変わります」
間違ってはいません。
でも、比べる前に何を見ればいいのかが、書いていない。
この記事では、2つを渡します。
判断の順番と、自分が「余裕のある人」かどうかを判定する基準です。
読み終えたときに、あなたが自分で決められる状態にします。
ちなみに我が家の結論は、繰り上げ返済をしていません。
ただ、それは結果であって、この記事の主役ではありません。
結論:見る順番は、この4つです
先に答えを出します。
- 1番目、生活防衛資金があるか
- 2番目、住宅ローン控除の期間が残っているか
- 3番目、自分のローンは固定か、変動か
- 4番目、そのうえで、金利と投資利回りを比べる
多くの記事は、いきなり4番目をやらせます。
でも、1番目を飛ばして4番目に行くのが、いちばん危険です。
手元の現金をゼロにして投資に回すと、値下がりしている時期に現金が必要になったとき
損を確定させて売るしかありません。
そして、売っても売らなくても、ローンの返済は毎月来ます。
計算は、土台があってはじめて意味を持ちます。
順番に見ていきます。
1番目:生活防衛資金と、「余裕のある人」の基準
いちばん最初に、自分がどちら側かを判定します。
基準は、これです。
生活防衛資金が6か月ほどあること。
そして、繰り上げ返済で一括完済できる状態であること。
この2つを満たしていれば、余裕のある人です。
満たしていなければ、余裕のない人です。
厳しい基準に見えるかもしれません。
でも、ここをはっきりさせないと
自分がどちらなのか分からないまま判断することになります。
そして、この判定は後の3番目にも効いてきます。
2番目:住宅ローン控除が残っているか
住宅ローン控除は、ローンの残高に応じて税金が戻ってくる制度です。
残高が減れば、戻ってくる額も減ります。
つまり控除を受けている期間に急いで返すと
受け取れるはずだったお金を、捨てることになります。
我が家が繰り上げ返済をしていない理由の、ひとつめがこれです。
控除期間が残っているなら、急ぐ理由がありません。
とて、この内容は、状況と3番目も合わせて考えてください。
3番目:固定か、変動か
ここで、1番目の判定が効きます。
私の基準は、はっきりしています。
- お金に余裕のある人は、変動金利
- お金に余裕のない人は、固定金利
変動金利は、金利が上がれば返済額が増えます。
増えた分を吸収できる人だけが、選んでいい商品です。
生活防衛資金が6か月あって、いつでも一括完済できる人。
そういう人にとって、変動は合理的です。
でも、増えたら生活が回らなくなる人が変動を選ぶと、それは賭けになります。
そして、私自身がどう選んだか。固定金利です。
借りた当時、周りは変動ばかりでした。マスコミもネットメディアも、変動を推していました。
それでも、固定にした理由は2つです。
当時はデフレのまっただ中で、固定ですら金利が安かった。
変動との差が小さいなら、動かない方を取る。
そして、いつか金利は上がると思っていた。
当時の低金利は異常値で、異常な状態が35年続くと考える方が、不自然だからです。
何より、当時の私はお金のない人でした。
家を浪費と割り切って買っています。その状態で、金利変動のリスクまで取る余裕はありません。
だから固定を選びました。当然の、当たり前の行動をしただけです。
家を浪費と割り切っている話は、こちらにまとめています。
4番目:ここで初めて、金利と利回りを比べる
1から3が済んで、やっと計算です。
繰り上げ返済で得られるのは、払わずに済んだ利息です。
これは、ローン金利と同じ利回りで、運用したのと同じ意味になります。
そのお金を投資に回せば、市場の利回りが期待できます。
ローン金利より、投資の期待利回りの方が高いなら、返すより回す方が合理的です。
我が家は、そう判断しました。
控除が残っていて、固定金利で、生活防衛資金もある。だから投資に回しています。
これが、繰り上げ返済をしていない理由のふたつめです。
ただし、このイールドギャップを取る事は、本音でかなり難しいです。
すでに変動で借りている人へ
ここまで読んで、こう思った方も多いはずです。
「もう変動で借りてしまった」
大丈夫です。今からできることがあります。
固定費を下げて、稼ぐ力を鍛えて、早く返済してください。
固定費を下げる。
- 保険
- 通信費
- サブスク
毎月出ていくお金を減らせば、返済に回せる額が増えます。
しかも、一度やれば効果が続きます。
まず、自分の固定費を上から順に書き出してください。手順はこちらにまとめています。
稼ぐ力を鍛える。
支出には下限がありますが、収入には上限がありません。
本業と副業の両輪で、入ってくる方を増やす。
何から始めるかを決めたいなら、こちらを読んでください。
そして、早く返す。
変動金利のリスクは、金利が上がることではありません。
上がったときに、耐えられないことです。
だから残債を減らして、耐えられる状態を作る。
攻めと守りの両方で、余裕のある人に近づいていきます。
金利は自分で動かせませんが、固定費と収入と残債は、動かせます。
当たり前を、当たり前にする難しさ
私がやったことは、特別な分析ではありません。
余裕がないから、動かない方を選ぶ。それだけです。
でも、世間の話を聞いていると痛感します。
この当たり前を当たり前にすることが、いかに難しいか。
- みんなが変動を選んでいる
- メディアも変動を推している
- 月々の返済額も、変動の方が安く見える
その中で、自分の状況を基準に判断するのは、簡単ではありません。
周りの正解ではなく、自分の状況で決める。
言葉にすると当たり前ですが、実際にやれる人は多くありません。
よくある質問
Q1. 生活防衛資金6か月は、多くないですか?
我が家の基準です。少なくてもいいと考える人もいます。ただ、ローンを抱えている以上、収入が止まった月も返済は続きます。そこを支えるのが現金なので、我が家はここを削っていません。
Q2. 団信があるから、生命保険はいらないのでは?
我が家は団信をあてにしていませんでした。最初から付帯だったので、ラッキーくらいの感覚です。必要な保障を自分で決めて、そのうえで団信があった、という順番です。生命保険をいくらにしたかは、こちらに実額で書いています。
Q3. 控除が終わったら、繰り上げ返済しますか?
そのときの金利と投資の状況を見て判断します。控除が終われば、返さない理由が1つ減るので、判断は変わり得ます。ただ我が家は固定金利なので、金利が上がっても返済額は増えません。慌てる必要がない状態です。
Q4. 投資に回すのは、危なくないですか?
危険もあります。投資は元本保証ではないので、値下がりしている時期に現金が必要になると、損を確定させて売ることになります。だからこそ、判断の順番の1番目が生活防衛資金なんです。土台がない状態で投資に回すのは、繰り上げ返済より危ない行為です。
まとめ
読み終えたら、この順番で確認してください。
1. 生活防衛資金が6か月あるか、通帳を見る。
なければ、投資も繰り上げ返済も後回しです。まずここを作ります。
2. 住宅ローン控除の残り期間を確認する。
残っているなら、急いで返す理由は減ります。
3. 自分のローンが固定か変動か、契約書で確認する。
変動なら、金利が2%上がったときの返済額を試算してください。
耐えられないなら、固定費と残債を減らす方が先です。
4. そのうえで、ローン金利と投資の期待利回りを比べる。
ここまで来て、初めて計算が意味を持ちます。
我が家は、この順番で判断して、繰り上げ返済をしていません。
控除が残っていて、固定金利で、生活防衛資金もあるからです。
そして、投資に回すと決めたなら、次にやることは口座を作ることです。
銀行をやめてネット証券にした理由と、選び方はこちらにまとめています。
さいごに
住宅ローンの記事は、たいてい計算式で終わります。
金利がこうで、利回りがこうだから、こちらが得です。
計算は大事です。我が家も比べました。でも、その前に決めることがあります。
自分は、余裕のある人か。ないのか。
生活防衛資金は6か月あるか。今すぐ一括完済できるか。
ここを正直に見られるかどうかで、選ぶべき道が変わります。
そして、まだ余裕のない側にいるなら、やることは決まっています。
固定費を下げて、稼ぐ力を鍛えて、早く返す。
金利は動かせませんが、自分は動かせます。
ここが、あなたの人生で運を掴みにいく、最初のきっかけになれば幸いです。
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