はじめに
我が家は持ち家です。
そして、保険はこうしています。
火災保険には、入っています。ただし、地震保険には、入っていません。
日本に住んでいて地震保険なし、と聞くと驚かれるかもしれません。
感情で決めたわけではありません。
数字で考えて、外しました。
その中身を、正直に書きます。
火災保険には入っています
外した話の前に、入っている方から。
そもそも、なぜ火災保険には入るのか。
相手の家が、あるからです。
火事は、自分の家だけで終わりません。
隣に燃え移れば、他人の財産を失わせることになります。
ご迷惑をかけないように。そこを考えて、入っています。
自分の持ち物を守るためというより、周りへの責任として持っている保険です。
そのうえで、選び方はシンプルです。
同じ保証の土台で、安いところです。
自動車保険と、まったく同じ考え方です。
各社が並べる補償を全部つければ、当然高くなります。
そうではなく、必要な補償を先に決めて、その同じ条件で各社を比べる。
比較の土俵は、自分で作るものです。
自動車保険で同じことを書きました。
地震保険の仕組みを、数字で見る
ここからが本題です。
地震保険を検討するとき、まず知っておくべき事実が3つあります。
① 地震保険は、火災保険とセットでしか入れない
単独では契約できません。
② 保険金額は、火災保険の30〜50%が上限
火災保険を2,000万円かけていても、地震保険は最大1,000万円までしか設定できません。
家が全壊しても、建て直せる金額にはならないということです。
③ 支払いは、損害の区分で決まる
- 全損なら、地震保険金額の100%
- 大半損なら、60%
- 小半損なら、30%
- 一部損なら、5%
実際の修理費がいくらかかったかは、関係ありません。
区分で決まった割合が支払われる仕組みです。
東日本大震災で、実際どうだったか
理屈だけでは判断できないので、実績を見ます。
東日本大震災では、地震保険から76万件以上、1兆2,000億円を超える保険金が支払われました。
震災後3か月ほどで約50万件、約1兆円が支払われています。
制度としては、きちんと機能したと言えます。
問題は、その中身です。
損害区分別の内訳が、こうなっています。
- 全損と認定されたのは、支払件数の4.9%
- 一部損が、支払件数の70.9%
7割が、一部損です。
そして、一部損の支払いは、地震保険金額の5%でした。
具体的に計算してみます。
火災保険2,000万円、地震保険はその半分の1,000万円で契約していたとします。
一部損なら、受け取れるのは50万円です。
ちなみに一部損の認定基準は、建物の主要構造部の損害割合が、時価の3%以上20%未満
基礎のひび割れ程度でも認定されますが、修理費がその5%を上回っても、支払額は変わりません。
これが、我が家が「保証が薄く、適用範囲も小さい」と判断した中身です。
そして、大前提があります
数字の話をしましたが、我が家の判断の土台は、もっと手前にあります。
家も、浪費です。車と同じです。
生活に必要な物ではありますが、持たなくても生きていけます。
賃貸という選択肢がある以上、持ち家はぜいたく品です。
そのうえで、はっきり書きます。
地震で家が全壊した場合、住宅ローンは残ります。
これで困るなら、買っちゃダメです。
厳しい言い方ですが、これが我が家の前提です。
保険をつけないと持てない家は、身の丈を超えています。
車のときと、まったく同じ話です。
感情と数字は、切り離して考える
もう少し踏み込みます。
家を買うとき、多くの人はこう考えます。
- 「結婚したから、新築を」
- 「子どもが小さいうちに、マイホームを」
- 「地に足をつけて覚悟をもつために」
これは、感情です。
否定はしません。私にも家族がいるので、その気持ちは分かります。
でも、感情のまま決めると、判断が止まります。
数字で考えたら、借金してまで買っちゃダメです。
これは家に限らず、ですが。
大事なのは、感情を捨てることではありません。
感情と数字を、切り離して考えることです。
- 「欲しい」は、感情
- 「買えるか」は、数字
この2つを混ぜたまま決めると、買えない物を買ってしまいます。
そして買った後で、保険を厚くして不安を埋めることになります。
保険で不安を埋めているとき、たいてい問題は保険ではありません。
その前の、買い方にあります。
じゃあ、地震で家が壊れたらどうするのか
想定はしています。
もう一度、建て直すか、賃貸を借りるかです。
おそらく、賃貸になるでしょう。そして住宅ローンは、そのまま払い続けます。
きれいごとではなく、それが現実です。
地震保険に入っていても、一部損なら5%しか出ません。
結局、大部分は自分で背負うことになります。
公的支援は、あればいいね、くらいの温度感です。期待していません。
期待しないと決めているから、貯蓄と投資で備えています。
「大ダメージには入る」と矛盾しないのか
自動車保険の記事で、こう書きました。
入っておかずに大ダメージを受けるところには、入る。
だから対人・対物は無制限にしています。
地震で家を失うのも大ダメージでは、と思われるかもしれません。
でも、これは矛盾ではありません。土俵が違うんです。
賠償責任には、上限がありません。
人にケガをさせたら、億単位になることもある。
貯金でどうにかできる金額ではないので、保険で持つしかない。
自分の持ち物には、上限があります。
家は、失えば痛いですが、金額は有限です。ローンは払い続けられます。
生活が終わるわけではありません。
賠償と、所有物、この2つを混ぜると、判断がおかしくなります。
- 住宅
- 火災保険
- 地震保険
これも、混ぜてはいけないと思っています。
大事な注意:これは我が家の結論です
ここは、はっきり書いておきます。
これは、我が家の場合の答えです。
そして地震保険には、他の保険にはない特徴があります。
国と保険会社の共同運営なので、条件が同じなら、どこの会社でも保険料は一律です。
つまり「比べて安くする」ができません。入るか入らないかの判断だけです。
そのうえで、私の考えは変わりません。
基本的に、借金してまで買っちゃダメです。
そこを分かったうえで、浪費と割り切って買うのは、いいと思います。
家が欲しい気持ちを否定はしません。
ぜいたく品だと理解して、ローンが残っても払い続けられる前提で買う。
それなら、何も問題ありません。それは、あなた様のご判断です。
- 支払われる金額
- 認定される確率
- 払う保険料
- 自分の備え
並べてから、自分で決めてください。
保険全体をどう絞ったかは、こちらに書いています。
よくある質問
Q1. 地震保険の付帯率は、どれくらいですか?
火災保険を契約している人のうち、地震保険をつけている割合は年々増えていて、2023年時点で約7割です。つまり我が家は少数派です。それでも数字で判断して、外しています。
Q2. 火災保険の保険料を下げるには?
必要な補償を先に決めて、同じ条件で各社を比べることです。水災など、住んでいる場所によって不要な補償もあります。土俵を揃えないと、比較になりません。
Q3. 地震保険は、火災保険とセットでないと入れないんですよね?
そうです。単独では契約できません。火災保険に付帯する形になります。逆に言えば、火災保険を契約した後からでも追加できます。
Q4. 地震で家が全壊したら、ローンはどうなりますか?
残ります。これが地震保険を検討する最大の理由でもあります。我が家はそれを承知のうえで、払い続ける前提にしています。ここが受け入れられないなら、地震保険に入るか、そもそも住宅の買い方を考え直すか、どちらかだと思います。
まとめ
- 我が家は持ち家。火災保険には入り、地震保険には入っていない
- 火災保険に入るのは相手の家があるから。延焼でご迷惑をかけないための保険
- 火災保険の選び方は「同じ保証の土台で、安いところ」
- 地震保険は火災保険の30〜50%が上限。全壊しても建て直せる金額にはならない
- 支払いは区分で決まる。全損100%、大半損60%、小半損30%、一部損は5%
- 東日本大震災の実績は、全損が件数の4.9%、一部損が70.9%。7割が5%の支払い
- 大前提として家も浪費。地震で全壊してもローンは残る。これで困るなら買っちゃダメ
- 感情と数字は切り離して考える。「欲しい」は感情、「買えるか」は数字
- 数字で考えたら、借金してまで買っちゃダメ。家に限らず
- ただし浪費と割り切って買うなら、それはあなたの判断
- 万一は建て直すか賃貸。ローンはそのまま払い続ける。公的支援は期待しない
- 賠償責任と所有物は、別の土俵。混ぜると判断がおかしくなる
補足ですが、火災保険は意外と保険の守備範囲が、広いです。
台風でカーポートの屋根が、飛んだ修繕費も適用されたくらいです。
火災保険というネーミングに、大人の事情をその時に感じました。笑
さいごに
地震保険に入るかどうかは、不安の大きさで決める話になりがちです。
日本は地震が多い。だから入っておこう。その気持ちは、よく分かります。
でも、保険は感情ではなく、数字で見るものだと思っています。
いくら払って、どんなときに、いくら受け取れるのか。
そして、受け取れなかったとき、自分はどうするのか。
そこまで並べて、それでも必要だと思うなら入ればいい。
我が家は、並べた結果、外しました。
ここが、あなたの人生で運を掴みにいく、最初のきっかけになれば幸いです。
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