はじめに:対処法を10個読んでも、決まらない理由
「管理職 辞めたい」で検索すると、出てくるのは対処法です。
- 権限を委譲する。
- 理由を書き出す。
- 人事に相談する。
- 転職活動で視野を広げる。
でも、関連キーワードを見てください。
- 「管理職 やめてよかった」
- 「管理職 降りた 体験談」
- 「管理職 辞める 無責任」
あなたが本当に知りたいのは、対処法ではないはずです。
降りた人がその後どうなったのか。そして、無責任だと思われないか。
ここに答えている記事が、ほとんどありません。
人事向けの記事か、転職に着地させる記事ばかりだからです。
私はGMまでやって、最終的に役職を手放しました。
そして、社内で降格や降職を選んだ人も見てきました。
その中で、はっきり分かったことがあります。
降りた後に差がつくのは、降りた理由ではありませんでした。
先に結論:判断は、この3つです

① それは、あなたが決めたことですか
ここが最大の分岐点です。
理由の中身より、こちらが効きます。
② しんどさは「量」ですか、「演じること」ですか
量なら、降りなくても減らせます。
演じることなら、降りても消えません。
③ 自分が納得するまで、やりましたか
期間の基準はありません。
ただ、ここを飛ばすと、次が見えなくなります。
降りた後を分けたのは、理由ではなく「誰が決めたか」でした
私は、社内で降格した人も、降職した人も見てきました。
その人たちのその後は、きれいに2つに分かれています。
そして分かれ目は、能力でも、年齢でも、理由でもありませんでした。
自分で決めたか、会社に決められたか。これだけです。
自分で決めた人
他部署に移っても、仕事をそつなくやっています。
もちろん、そこで評価を受けている人もいます。
役職から離れたことが、キャリアの終わりになっていません。
会社に決められた人
おおかた、周りへの不満から始まります。
そして最終的には、退職の道をたどっていきました。
同じ「降りる」でも、こうなります。
理由は分かりやすいと思います。
自分で決めた人には、次の説明が自分の中にあるからです。
「量を減らして、現場で結果を出す方を選んだ」でもいい。
「向いていないと分かったから、別の形で貢献する」でもいい。
その一行を自分で持っている人は、どこへ行っても立て直せます。
一方、決められた人には、その一行がありません。だから外に理由を探します。
上司が悪い、会社が悪い、評価が不当だ。そこから戻ってきた人を、私は見たことがありません。
だから、いちばん危険なのはこの状態です。
辞めたいと思いながら、決めずに引き延ばしていること。
引き延ばした先で決めるのは、たいてい会社の方です。
しんどさを、2種類に分けてください
「管理職 辞めたい」の理由は、大きく2つに分かれます。
そして、対処法がまったく違います。
A:量のしんどさ
- 業務量
- 残業
- 板挟み
- 部下の育成
- 会社の業績
これは、降りなくても減らせる可能性があります。
権限を渡す、担当を分ける、人を増やす、配置を変える。
会社に相談する価値があります。
大手の記事が書いている対処法は、全部こちら向けです。
Aの人には、ちゃんと効きます。
B:演じることのしんどさ
私がGM時代、いちばんきつかったのはこちらでした。
男としては、違うと思っていても、役者としては、正解と言わないといけない。
中間の管理職ですから、上と下の間に立ちます。
自分の本音と、立場としての発言が、いつも一致するわけではありません。
これがいちばん、消耗しました。
そして、ここからが大事な話です。
私は、このしんどさが完全に消えました。
ただし、役職を降りたから消えたのではありません。
消えた理由は、転職した先の社内文化が、まったく違ったからです。
つまりこういうことです。
演じることがしんどいなら、それは役職の問題ではなく、環境の問題です。
役職を降りても、同じ文化の中にいる限り、演じることは求められ続けます。
役職がなくなった分、発言権だけ失って、演じることは残るという最悪の形もあり得ます。
Bの人は、降りるかどうかではなく、この会社にいるかどうかを考えてください。
「無責任じゃないか」への、私の答え
関連キーワードに「管理職 辞める 無責任」が出てきます。ここに正面から答えます。
無責任だとは、思いません。
むしろ、できないと分かったのに、そのまま放置される方が無責任です。
私は「役職は預かりもの」だと考えています。
ただし、預かりものは、渡す人と渡される人がいて初めて成り立ちます。
「まだ渡す準備ができていないから降りられない」と考えている人がいます。
でも、ビジネスにおいて、完璧な準備も完璧な引継ぎも存在しません。
私自身、引継ぎは誠心誠意やりました。
それでも完璧ではありません。渡した後、その内容をどうするかは、次の人の生き方です。
そして、降りたいと言う行為そのものが、すでに行動です。
放置しているより、はるかにましです。
無責任なのは、降りることではありません。
できないと分かっているのに、席に座り続けることです。
「どのくらいやれば、やったと言えますか」
これはよく聞かれますが、そんな基準はありません。
1年でも、3年でも、人それぞれです。私が決められることではありません。
ただし、ひとつだけ言えることがあります。
自分が納得するまで、やることです。
なぜなら、納得していないと、次のステップが見えてこないからです。
納得していない人が降りると、こうなります。
「もっとやれたかもしれない」が残る。
その状態で次に進むと、次の場所でも同じところで止まります。
逆に納得した人は、降りた瞬間に次が見えています。
だから他部署でもそつなくやれるし、評価もされる。
①の話と、ここでつながります。
納得の中身は、あなたにしか決められません。
ただ、他人が決めた期限で判断するのだけは、やめてください。
あなたの状況別の答え
量がしんどい人(Aタイプ)
降りる前に、減らす交渉をしてください。
- 権限委譲
- 担当変更
- 増員 等々
ここをやらずに降りると、「やり切っていない」が残ります。
演じることがしんどい人(Bタイプ)
役職の話ではありません。
この会社の文化の中で、あと何年やるかという話です。
降りても消えません。
すでに会社から示唆されている人
決められる前に、自分で決めてください。
同じ結果でも、その後が変わります。
ここが唯一、あなたが握れる部分です。
迷っているだけの人
いちばん危険です。
迷っている時間は、会社が決める時間を伸ばしているだけです。
よくあるQ
Q1. 降りたら、もう二度と役職には戻れませんか?
戻っている人はいます。ただ、戻ることを前提にしないでください。
戻れなくても後悔しない理由を、自分の中に作ってから降りてください。
それが「自分で決める」ということです。
Q2. 人事に相談してもいいですか?
相談は有効です。ただし、相談と決定を混ぜないでください。
相談は情報収集です。決めるのはあなたです。
ここを混ぜると、いつの間にか会社が決めた形になります。
Q3. 引継ぎが終わっていないので、言い出せません。
完璧な引継ぎは存在しません。
渡す意思があって動いているなら、それは無責任ではありません。
放置の方が、はるかに重い責任問題です。
Q4. 年収が下がるのが怖いです。
正当な不安です。だからこそ、降りる前に自分の市場価値を確認してください。
社内の役職手当を失うことと、市場で自分がどう評価されるかは、まったく別の話です。
社内の評価だけを見て、決めないでください。
肩書きが外れても、経験は消えません。
ただ、それを確かめる方法を持っていないと、不安のまま席に座り続けることになります。
まとめ:今日やること
- 自分のしんどさが「量」か「演じること」か、紙に分けて書く
- 量なら、減らす交渉の相手と内容を決める
- 演じることなら、この会社にあと何年いるかを考える
- どちらにしても、決めるのは自分だと確認する
- 降りる可能性があるなら、自分の市場価値を先に調べる
判断を人に預けないでください。
預けた瞬間、あなたは「決められた人」になります。
社外からどう評価されるかを知っておきたい方は
エージェントの仕組みを先に読んでおいてください。
なぜ無料で使えるのかから書いています。
注意(必ず読んでください)
ここに書いたのは、私が見てきた範囲の話です。
会社の規模も、制度も、あなたの立場も違えば、答えは変わります。
最後に決めるのは、あなたです。
あなたの人生を、あなた以上に大切にできる人はいません。
さいごに
管理職を辞めたいと思うことは、弱さではありません。
私も、しんどい時期を過ごしました。そして最終的に、自分で決めて手放しました。
降りることが問題なのではなく、決めないまま時間が過ぎることが問題です。
ここが、あなたの人生で運を掴みにいく、最初のきっかけになれば幸いです。
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