はじめに:その5つ、あなたに効きますか
「NISA デメリット」で検索すると、だいたい同じ5つが出てきます。
- 損益通算ができない
- 年間の投資枠に上限がある
- 1人1口座しか持てない
- 元本保証がない
- 買える商品が限定されている
読んで、「なるほど」とは思う。
でも、知りたいのは、そこではないはずです。
その5つが、自分に実際に効くのかどうか。
始めていいのか、やめておくべきなのか。
そこが分からないまま、タブを閉じていませんか。
正直に書きます。私は、調べないまま始めた側です。
人気ランキングを見て商品を選び、毎月分配型に手を出し、始めて半年でマイナスを出しました。
つまり、デメリットを一通り知ってから始めた人ではありません。
全部、順番を間違えてから知りました。
だからこそ書けることがあります。
上の5つを、10年やった実際の生活で採点できます。
この記事で分かるのは、次の2つです。
- 5つのデメリットが、あなたに効くかどうかの判断の順番
- 5つのうち、本当に見るべきものはどれか
先に言っておくと、私は制度のデメリットで困ったことが、一度もありません。
困ったのは、いつも自分の側でした。
ただし、これは私の答えです。あなたの答えとは違うかもしれません。
だから、判断できる形で書きます。
先に結論:判断は、この順番で決まります
デメリットが効くかどうかは、あなたの答え方で決まります。
順番はこの3つだけです。
① 買った後、あなたは触りますか
触らないなら、5つのうち4つは効きません。
触るなら、効きます。
ここで9割決まります。
② 触るとしたら、何が引き金になりますか
- 下がったときか
- 上がったときか
- 誰かの話を聞いたときか
本当のデメリットは、この引き金の側にあります。
③ そのお金は、数年以内に使いますか
使うなら、投資に入れてはいけません。
これは制度の問題ではなく、お金の置き場所の問題です。
数年以内とは、私は10年で考えています。
この順番で、5つを1つずつ採点していきます。
採点①「損益通算ができない」
→ 触らないなら、通算する損が生まれない。
まず、いちばん怖そうに書かれている項目です。
NISA口座の損は、他の口座の利益と相殺できません。損失の繰越もできません。
これは事実です。
ただ、損益通算が必要になるのは、損を確定させたときだけです。
インデックスファンドを積み立てて、そのまま持っている限り、確定する損はありません。
通算する損が、そもそも生まれないんです。
私はオールカントリー(eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー))を積み立てて
あとは放置しています。
10年やって、損益通算を考えたことは、一度もありません。
売った経験なら、一度だけあります。後で書きます。
それでも、損益通算という発想は出てきませんでした。
本当の問題は、税金の話ではなかったからです。
採点:私には効かなかった。
ただし、ここに例外があります。
1週間でガチャガチャ手を加える人には、はっきり効きます。
私には、その経験があります。
投資を始めたばかりの頃、iDeCoで持っていたゴールドとコモディティを売りました。
「全然上がらないな」という理由だけです。根拠はありません。
覚えたばかりの「損切り」という言葉を、使いたかっただけでした。
結果、始めて半年で5万円のマイナスです。笑
当時の私は、分散の意味も、投資の意味も、完全にはき違えていました。
(この話はNISAではなく、iDeCoの話です。制度が違うので、正確に書いておきます。)
言いたいのはこういうことです。
損益通算ができないことが、問題なのではなく
自分でマイナスを確定させにいく行動が、問題でした。
採点②「年間の投資枠に上限がある」
→ 上限に当たる前に、入金力が尽きる
新NISAの年間投資枠は、つみたて投資枠120万円と成長投資枠240万円で
合わせて360万円です。「上限がある」と書かれると、狭く感じます。
でも、会社員の家計で年360万円を投資に回せる人が、どれだけいるでしょうか。
多くの人は、枠に当たる前に入金力が尽きます。もちろん、私もそうです。
そして、仮に枠を使い切ったとしても、投資が終わるわけではありません。
余裕と目的があるなら、課税される特定口座を使ってでも
早く投資した方がいいと考えています。
私自身、日本の高配当株は、特定口座でも買っています。
枠は手段です。目的が先です。
「枠を使い切らないともったいない」と考えると、目的のない買い物が始まります。
そちらの方が、よほど損です。
採点:私には効かなかった。
採点③「1人1口座しか持てない」
→ 家族で見れば、制限になっていない
NISA口座は、1人につき1口座だけです。
金融機関を変えたければ、年単位の手続きが要ります。
これも、事実です。
ただ我が家は、家族で5つの口座を目的別に使い分けています。
- 私のNISA:eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
- 妻のNISA:eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
- 子ども3人の口座:教育資金と金融教育用
「1人1口座」は、家族単位で見た瞬間に、制限ではなくなります。
そして、金融機関を変えたくなる状況を想像してみてください。
「もっと良さそうな会社を見つけた」から変えるのだとしたら
それは制度の問題ではありません。
最初に選ぶときに、自分の言葉で理由を説明できていなかっただけです。
採点:私には効かなかった。
採点④「元本保証がない」
→ これはデメリットではなく、前提
これは事実ですし、いちばん重い項目です。
ただ、元本保証がないのはデメリットではなく、投資の前提です。
保証があるなら、それは投資ではありません。
問題は、別のところにあります。
下がったときに、自分が耐えられるかどうかです。
私は、耐えられませんでした。
コロナショックのとき、不安に耐えられず売りました。
さきほど「一度だけ売った経験がある」と書いたのは、このことです。
そして市場は回復し、持っていた人が勝ちました。
本当に、悔しかったです。
売った直後は正しい判断だと思っていたのに、数か月後には間違いだったと分かる。
しかも、自分の資産で証明されてしまう。
理由ははっきりしています。完全な知識不足でした。
暴落が何なのか、過去に何度起きたのか、そのあとどうなったのか。
何も知らないまま、値動きだけを見ていました。
あのとき私が失ったのは、税金で取り返せる種類のものではありません。
採点:効いたのは制度ではなく、私の感情でした。
採点⑤「買える商品が限定される」
→ 初心者には、安全装置として働く
つみたて投資枠で買える商品は、金融庁の基準を通ったものに絞られています。
「選べない」と書かれると、不自由に感じます。
でも私は、選べたせいで失敗しました。
人気ランキングだけを見て商品を選び、毎月分配型の投資信託に手を出し
信託報酬の数%を「たいした差ではない」と思っていました。
分配金を出すために、元本を取り崩している商品もあると知ったのは、あとからです。
選択肢が多いことは、初心者にとって必ずしも良いことではありません。
絞られていることは、安全装置です。
採点:私には、むしろメリットでした。
採点結果:5つとも、私には効きませんでした

並べ直します。
- 損益通算ができない → 触らないので、通算する損が生まれない
- 年間投資枠の上限 → 当たる前に入金力が尽きる
- 1人1口座 → 家族で見れば制限にならない
- 元本保証がない → デメリットではなく前提
- 商品が限定される → 初心者には安全装置
10年やって、制度のデメリットで困ったことは一度もありません。
では、何に困ったのか。
本当のデメリットは、制度の外にありました
答えは、これです。
この制度を使って、自分が投資と感情的に向き合えるかどうか。
デメリットは、制度の側にあるのではありません。
いつも、使う人の側にあります。
私は一度、そこで負けました。
でも今は、暴落しても平常心でいられます。
大きな暴落を経験して、乗り切れたからです。
下がって、不安になって、それでも持ち続けて、戻った。
この一周を、自分の資産で体験しました。
そして、ひとつの言葉を持てるようになりました。
「私は、いつでも長期投資家だ」
今日の値動きがどうであれ、私は長期投資家である。
そう決めているので、日々の上下で立場が変わりません。
売るか売らないかを、毎回考えない。考えなくていいように、先に決めておく。
買った後は、放置です。
制度が本当に牙をむく瞬間 ~旧ジュニアNISAが証明したこと~
ここまで「制度のデメリットは効かない」と書いてきました。
では、制度が本当にデメリットになるのはどんなときか。
お金を動かせなくなったときです。
これを証明した制度が、実際にあります。旧ジュニアNISAです。
もともとジュニアNISAには、原則18歳になるまで引き出せないという制限がありました。
途中で出せば、課税されたうえで口座も廃止になる。
我が家は3人分を2年間、満額でやっていました。
だから、この使いにくさは体感しています。
そして、こういうことが起きました。
2020年度の税制改正で、ジュニアNISAは2023年末で廃止と決まります。
同時に、2024年以降は年齢や理由を問わず、非課税で引き出せることも決まりました。
つまり、資金拘束が外れたんです。
そこからの口座数を見てください(日本証券業協会・証券会社のジュニアNISA口座数)
- 2019年末:206,493口座
- 2020年末:299,747口座
- 2021年末:548,190口座
- 2022年末:817,546口座
廃止が決まってから、2年で約2.7倍です。
なくなると決まった制度に、人が集まりました。
理由は分かりやすいと思います。
非課税かどうかより
「自分のお金を、自分の判断で動かせるか」の方が重かったということです。
そして今のNISAには、この資金拘束がありません。
いつでも売れて、いつでも引き出せる。
制度上のデメリットがほぼないと私が言い切れるのは、ここが一番大きいです。
あなたの状況別の答え
私と状況が違う方へ、正直に書きます。
すでに始めていて、いま含み損の人
この記事より、上で紹介した暴落の記事の方が役に立ちます。
私が売って後悔した話と、そこから何をやめたかを書いています。
短期で売買したい人、個別株で勝負したい人
あなたには、損益通算できないデメリットが本当に効きます。
損を確定させる前提の戦い方をするなら、通算できる特定口座の方が理にかなっています。
NISAは、動かさない人のための制度です。
数年以内に使う予定のお金を入れようとしている人
やめておいた方がいいです。
我が家は、生活防衛資金を現金で持っています。
これが土台にあるから、上のお金を長く投資に置いておけます。
順番が逆になると、下がったときに必ず売ることになります。
よくあるQ
Q1. 損益通算できないのは、やっぱり不利ではないですか?
不利になるのは、損を確定させる人だけです。
あなたが年に何回売買する予定かを考えてみてください。
ゼロ回なら、この項目はあなたに関係ありません。
Q2. 元本保証がないのが怖いです。どうすればいいですか?
怖いのは正常です。私も耐えられませんでした。
対策は、金額を下げることです。
下がっても平気な金額まで下げてから始めてください。
初心者にとって一番大事なのは、増やすことではなく、退場しないことです。
Q3. iDeCoとどちらを先に始めるべきですか?
私は両方やっていますが、順番を聞かれたらNISAからと答えます。
理由は、この記事で書いたとおりです。
iDeCoは、原則60歳まで引き出せません。
これは本物の資金拘束です。
節税メリットは大きいですが、動かせないお金が増えることは
先に理解しておいた方がいいです。
Q4. いくらから始めればいいですか?
少額で十分です。
最初の目的は、増やすことではありません。
下がったときの自分を、一度見ておくことです。
そこで自分がどう感じるかが、あなたにとっての本当のデメリットです。
まとめ:今日やること
読み終えたら、これだけやってください。
- 5つのデメリットを紙に書き出し、自分に効くかどうかで丸をつける
- 「買った後、何があっても触らない」と1行書いて残す
- 数年以内に使う予定のお金を、投資に入れる対象から外す
- 口座を開く。開くだけなら、今日でも終わります
制度のデメリットを調べる時間は、もう十分に使ったはずです。
次にやることは、調べることではありません。
自分がどちら側の人間かを、決めることです。
どこで口座を開くかまで決めたい方は、家族5口座の使い分けをこちらに書いています。
注意(必ず読んでください)
ここに書いたのは、我が家の結論です。
家族の人数も、収入も、性格も違えば、答えは変わります。
投資は、自己判断・自己責任でお願いします。
自分のお金を自分以上に大切にできる人は、この世にいません。
さいごに
デメリットを調べているうちは、まだ始まっていません。
でも、調べたこと自体は、無駄ではないです。
知らないまま始めて、順番を間違えたのが私ですから。笑
あなたはもう、5つを知っています。
あとは、自分がその5つのどれに引っかかるかを決めるだけです。
ここが、あなたの人生で運を掴みにいく、最初のきっかけになれば幸いです。
この記事を読んだあなたへ
知識を得た次は、行動に移すとき。
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スキルアップ・投資・転職——どこから始めるかは、
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まず「知る」だけでも、景色は変わります。





