はじめに
人事の仕事がつまらない、と検索している方へ。
「人事 つまらない」で検索すると、出てくるのはこういう記事です。
- 人事がつまらないと言われる理由
- つまらないときの対処法
- 人事の仕事の魅力
書いているのは、管理部門の転職サービスと、人事向けのメディアです。
そして最後は、やりがいの見つけ方か、転職で終わります。
私は専門商社で、人事部に1年いました。そのあと支店のGMになり、人事対応は日常茶飯事になりました。
人事部の中と、現場の責任者の両方から、人事を見てきました。
そのうえで、先に書きます。
私にとって人事は、手続きの仕事ではありませんでした。
先に結論:確認するのは3つ
① 人事は、組織を動かす仕事です。鍛えるのは採用力と定着力です
② 組織を動かすのは、管理職が言い切った言葉です
③ 会社を作っているのは、人です
順番に書きます。
人事は、組織を動かす仕事
私が人事でやっていたことを、一言で言うと経営戦略です。
- 組織構築
- 人事異動
- 就業規則
- 役職付与
並べると、手続きの一覧に見えるかもしれません。
ですが、ひとつずつ見ると、どれも組織の形を変える仕事です。
組織の7Sというフレームワークがあります。
戦略、組織、制度、人材、スキル、スタイル、共有価値観の7つで、組織を見るときの物差しです。
組織構築は「組織」を変えます。人事異動は「人材」を動かします。
就業規則は「制度」そのものです。役職付与は、誰に何を任せるかを決めます。
人事の仕事は、この7つを動かすことだと考えていました。書類や手続きは、その入り口にすぎません。
手続きだけを切り取ると、人事は同じことの繰り返しに見えます。つまらないと感じるのは、自然だと思います。
ですが、その手続きの先で、組織のどこが動くのか。そこまで見えると、同じ仕事の意味が変わります。
ただ、人事の仕事のどこまでを任されるかは、会社の中の役割で決まります。
組織を動かす側に関われているのか。手続きの側だけなのか。
そして、自分の人事の経験が社外でどこまで評価されるのかは、社内にいると分かりません。
管理部門として実績がある方、年収600万円以上の方は
JACリクルートメント私の場合は、経歴を登録したところ、向こうから求人が届く形になりました。
辞めるためではなく、自分の現在地を知るために、一度見てもらう価値はあります。
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採用力は、人数ではない
人事部にいた1年と、支店のGMとして人事対応をしていた期間で、見るものに差はありませんでした。
採用力と定着力。この2つを、バランスよく鍛えることです。
まず、採用力です。
採用力というと、たくさん採れる力だと思われがちです。
違います。どんどん採用することは、採用力ではありません。
私が考える採用力は、求職者が「この会社で一緒に働きたい」と思えるかどうかです。
そのために、どうすれば求職者が一緒に働きたいと思うかを考えて、人事の諸制度に盛り込んでいきます。
制度だけでは足りません。「この会社で、共に成長したい」と思える魅力も必要です。
それを伝えるのが、面接官の仕事です。
私も面接官をしていましたが、面接は選ぶ場であると同時に、選ばれる場でもあります。
人数を集めても、一緒に働きたいと思って入ってきた人でなければ、次の定着でつまずきます。
定着力は、現場で育てる
次に、定着力です。
定着力は、人事部の中では作れません。現場で作るものです。
具体的には、現場での先輩社員の指導と教育です。
どうすれば、同じ目標に向かって一緒に進めるか。それを考えて、マインドセットしていかなければいけません。
いわば、育成です。
そして、これは現場で働くみんなで作っていくものです。人事部や管理職だけで作れるものではありません。
誤解のないように書いておきます。
みんなで作る、というのは、なれ合いやだらだらしろという意味ではありません。
同じ目標に向かって進むために、先輩が後輩を指導し、教育する。その積み重ねが、辞めない組織を作ります。
採用力で入口を作り、定着力で中を育てる。片方だけでは、組織は育ちません。
言い切った言葉が、組織を動かす
組織を動かすうえで、私が一番意識したのは、共通言語を作ることでした。
共通言語とは、会社のみんなが同じ意味で理解している言葉です。
簡単に言えば、Aと言えばA。それで全員に通じる言葉です。
正直に言うと、言葉そのものは何でもいいのです。
大事なのは、管理職の側が、組織を動かすために意図して作ることです。
私の場合は、2つありました。
ひとつは、KPIです。
営業利益にこだわってほしかったので、みんなに「KPIは営業利益」と言い切りました。
売上でも、件数でもありません。営業利益です。
営業利益は、売上から原価と、人件費などの経費を引いたあとに残る、本業のもうけです。
売上だけを追えば、値引きでも数字は作れます。件数だけを追えば、手間のかかる仕事でも増やせます。
どこを見てほしいのかを一言で決めると、全員の判断の向きがそろいます。
もうひとつは、仕事の定義です。
社内の業務を見直すために、「仕事は、わかりやすく次の人へつなぐもの」と決めました。
リレーでいうと、バトンパスです。そう言い切りました。
自分のところで止めない。次の人が受け取りやすい形で渡す。
業務を見直すとき、一つひとつの作業を細かく指示するより、この一言のほうが全員に届きます。
そして、言い切った言葉は、言い続けなければ浸透しません。
言い続けることも、スキルです。
人事の仕事は、制度を作ることだけではありません。その制度を動かす言葉を、組織の中に置くことでもあります。
会社を作っているのは、人
人事をやって、見え方が変わったものがあります。
会社というよりは、人です。
基本的に、人が集まって、文化ができます。そして、その文化によって会社が醸成されていきます。
会社が先にあって、人が入るのではありません。人が集まった結果が、会社です。
厳しいことを書きます。
「うちの会社はダメだ」「今の会社のここがダメだ」と言う人がいます。
あれは、大きく見ると、自分がその環境を作っていて、「私がダメだ」と言っている形です。笑
会社の文化は、そこにいる人が作っています。自分も、その一人です。
だから、人事がつまらないと感じたときも、会社のせいにする前に、自分が何を動かしているかを見てください。
採用の入口を変える。現場の育成に関わる。共通言語をひとつ置く。どれも、人事がいる場所から始められます。
あなたの状況別の答え
手続きばかりで、つまらない方へ。
その手続きが、組織の何を動かしているのかを見てください。就業規則は制度を、異動は人材を動かしています。
採用の数ばかり求められている方へ。
どんどん採ることは、採用力ではありません。一緒に働きたいと思って入ってくる人を増やす仕組みを考えてください。
採っても辞めていく職場にいる方へ。
定着力は、現場で作るものです。先輩の指導と教育を、現場のみんなで作れているかを見てください。
会社の文化が合わないと感じている方へ。
文化は、人が集まってできています。あなたも、その一人です。言葉ひとつから変えられます。
よくあるQ
Q. 共通言語は、どんな言葉でもいいのですか。
正直、何でもいいと思っています。大事なのは、管理職の側が意図して作り、言い切り、言い続けることです。
Q. 人事部の経験が1年でも、意味はありますか。
私は部としては1年でした。そのあとGMとして人事対応を続けたので、その視点も学びにつながると思っていました。
Q. 採用力と定着力、どちらを優先すべきですか。
私は、バランスよく鍛えることを意識していました。入口だけでも、中だけでも、組織は育ちません。
Q. 会社がダメだと思うのは、間違いですか。
思うこと自体は自由です。ただ、会社を作っているのは人で、自分もその一人です。
Q. 人事の経験は、社外で評価されますか。
社内にいると分かりません。社外の人に経歴を見てもらうのが早いです。
まとめ:今から出来ること
人事がつまらない、はやりがいの問題として語られています。
- 人事は、組織を動かす仕事。手続きはその入り口
- 採用力は、人数ではなく「一緒に働きたい」と思われる力
- 定着力は、現場の指導と教育で育てる
- 共通言語は、管理職が意図して作り、言い続ける
- 会社を作っているのは人。自分もその一人
今日できることは、ひとつです。
自分の人事の経験を、社外の人に一度見てもらってください。
JACリクルートメント辞めるためではなく、自分の現在地を知るためです。
年収600万円未満の方や、まず幅広く求人を見たい方は、リクナビNEXT からどうぞ。
注意(必ず読んでください)
ここまで書いたことは、すべて私一人の事例です。
人事の仕事の範囲は、会社によって違います。私のいた会社では、人事が組織構築や役職付与まで扱っていました。
また、共通言語の例は、私のいた組織で使ったものです。同じ言葉が、どの組織でも通じるとは限りません。
そして、いちばん大事なことを書きます。
いまの仕事を続けるか、変えるかは、最終的にあなたが判断してください。
私の言葉で決めて、うまくいかなかったとき、あなたの人生の責任を私は取れません。
自分の人生の大きな決断の主語は、いつでも自分です。
さいごに
人事がつまらないと感じることは、あると思います。
手続きや書類は、毎日同じように回ってきます。
ですが、その先で動いているのは、組織です。
採用で入口を作り、現場で育て、言葉で方向をそろえる。
そして、会社を作っているのは、そこにいる人です。
ここが、あなたの人生で運を掴みにいく、最初のきっかけになれば幸いです。
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