はじめに
なぜ、同じ空間で、同じ説明を、同じ年代の人たちが聞いているのに、質問の質に大きな差が出るのか。
私は、面接官として人事の仕事に関わる中で、この違いに何度も向き合ってきました。
最初は、座る位置や、内定や評価に対する熱量の差だと考えていました。でも、それだけでは説明がつきませんでした。
「質問力 鍛え方」で検索すると、出てくるのは、良い質問の型やテクニックです。
結論から言えば、質問力の差は才能ではなく、考えて問いを立てる習慣の差です。
この記事では、面接官として見てきた「よく考えている質問」と、私が普段からやっている鍛え方を書きます。
先に結論:質問力の鍛え方は3つ
① 質問の量を増やす。質は、量のあとについてくる
② 事実だけを聞かない。事実に、自分の解釈を付けて聞く
③ 普段から、何を見聞きしても、自分の頭で考えて問いを立てる
順番に書きます。
面接官として見てきた「よく考えている質問」
正直に言うと、「この人は質問がうまい」と感じたことは、ありません。ただ、「よく考えているな」と思う質問はあります。
それは、事実に、質問者の解釈が付いている質問です。
逆に、残念な質問は、事実だけを聞く質問です。
- 事実だけの質問:「御社の離職率は何%ですか」
- 解釈付きの質問:「離職率が業界より低いと拝見しました。それは、〇〇の仕組みがあるからだと考えたのですが、実際はいかがですか」
※例は、分かりやすくするために私が作ったものです。
事実だけなら、調べれば分かります。解釈が付いていると、その人がどう考えたのかが見えます。面接官が知りたいのは、そこです。
鍛え方①質問の量を増やす
一度、振り返ってみてください。研修や説明会、セミナーで、時間いっぱいまで質問したことはありますか。
講師から「今日はここまでにしてください」と言われたことはありますか。
ほとんどの人は、ないはずです。つまり、量をこなしていない状態で、質を求めているのです。
質問の質は、経験と試行錯誤と失敗の上にしか積み上がりません。まずは、的外れでもいいから聞くこと。
ここを飛ばして、良い質問は生まれません。
鍛え方②事実に、自分の解釈を付ける
聞きたいことが浮かんだら、そのまま口に出す前に、一度考えてください。
- 自分は、その事実をどう受け取ったか
- なぜ、そうなっていると思うか
- それを確かめるには、何を聞けばいいか
この一手間で、事実の質問が、解釈付きの質問に変わります。
鍛え方③普段から、問いを立てる
私が質問力のためにやっていることは、特別なことではありません。ふだんから、考えて問いを立てることです。
ネットニュースでも、新聞でも、ラジオでも、他人の会話でも、なんだっていいです。
聞こえたら、自分の頭で考えて、問いを立てる。
なぜ、そうなったのか。本当に、そうなのか。自分ならどうするか。質問力は、質問する場面だけで鍛えるものではありません。
なぜ、質問するのが苦手なのか
日本では、質問することに、空気を読めていない、余計なことを聞く、恥ずかしい、という印象を持って育った方も多いと思います。
私自身も、その一人でした。
でも、社会に出てから気づいたのは、成長している人ほど、圧倒的に質問しているという事実でした。
彼らは、特別に頭が良いわけでも、知識が多いわけでもありません。違いはただ一つ、分からないことを放置しない習慣です。
質問力を鍛えるために、私が読んだ2冊
質問を重ね、自分なりに納得した結果、この2冊を紹介します。
新 問いかけの作法
「良い問いとは何か」を、抽象論ではなく、考え方の流れとして整理してくれる一冊です。
Think clearly
思考のクセ(バイアス)を一つずつ言葉にして、「その判断、本当に理解した上でやっている?」と、自分に問い直させてくれます。
あなたの状況別の答え
質問が、思い浮かばない方へ。
普段から、ニュースや人の会話に「なぜ?」を立ててください。問いは、練習で浮かぶようになります。
面接で、逆質問を考えている方へ。
調べれば分かる事実だけを聞かないでください。事実に、あなたの解釈を付けて聞いてください。
質問するのが、恥ずかしい方へ。
的外れでもいいので、まず聞いてください。質は、量のあとについてきます。
部下や後輩に、質問してほしい方へ。
質問しても恥ずかしくない空気を、先に作ってください。
よくあるQ
Q. 質問力は、どうやって鍛えればいいですか。
まず、質問の量を増やすことです。そして、普段から、何を見聞きしても自分の頭で考えて問いを立てることです。
Q. 良い質問と、残念な質問の違いは何ですか。
面接官として見てきた中では、事実に解釈が付いているかどうかです。事実だけの質問は、調べれば分かります。
Q. 質問力は、才能ですか。
才能ではないと思います。考えて問いを立てる習慣の差です。
Q. 質問力を鍛えるのに、おすすめの本はありますか。
私は、『新 問いかけの作法』と『Think clearly』を読みました。
まとめ:今から出来ること
「質問力 鍛え方」は、質問の型やテクニックで語られています。
- 質問力の差は、才能ではなく習慣の差
- まず、質問の量を増やす
- 事実だけを聞かない。自分の解釈を付ける
- 普段から、何を見聞きしても問いを立てる
- 成長している人ほど、質問している
今日できることは、ひとつです。
今日見たニュースを一つ選んで、「なぜ?」を一つ書いてください。
それが、あなたの質問力を鍛える最初の一問になります。
注意(必ず読んでください)
ここまで書いたことは、すべて私一人の事例です。
どんな質問が良いかは、場面や相手によって違います。
そして、いちばん大事なことを書きます。
最終的に、どうするかはあなたが判断してください。
私の言葉で決めて、うまくいかなかったとき、あなたの人生の責任を私は取れません。
自分の人生の大きな決断の主語は、いつでも自分です。
さいごに
最後に、試してほしいことがあります。自分自身に、質問することです。今の人生に不満はないか。なぜ、それを放置しているのか。
本当に理解したうえで、判断と決断をしているのか。
「なぜ?」を繰り返すことで、思考は表面から本質へと掘り下がっていきます。
ここが、あなたの人生で運を掴みにいく、最初のきっかけになれば幸いです。
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