はじめに:先に、大事なことを書きます
「仕事 覚えられない」で検索すると、出てくるのは対処法です。
- メモを取る。
- 復習する。
- 全体像を掴む。
- 規則正しい生活を送る。
読んで、少し試して、それでも変わらない。
だからまた検索している。そういう方が多いと思います。
この記事は、教える側と教わる側の両方をやった私の持論です。
だから先に、はっきり書いておきます。
日常生活にも支障が出るほど覚えられない、眠れない、体調に出ている。
そういう状態なら、この記事の内容は、当てはまりません。
私自身、そういう症状になったことがないので、分かりません。
分からないことを、分かったふりで書くつもりはありません。
医療機関や、専門の相談窓口に相談してください。それは逃げではなく、正しい手順です。
そのうえで、ここからは仕事を覚えるスピードに焦っている方に向けて書きます。
私は4つの部署、46人を見る立場でした。
そして異業種に移って、自分自身が初心者に戻った経験もあります。
両側から見て、はっきり言えることがあります。
覚えるのが遅いことは、能力が低いということではありません。
先に結論:見るべきは、この3つです

① 覚えるスピードは、能力ではありません
慎重で丁寧な人ほど、ゆっくり伸びます。
② 覚えられないのは、教え方の問題かもしれません
教える側の差は、成功事例ではなく、失敗事例を語れるかです。
③ 「何ヶ月で覚えるべきか」に、答えはありません
基準を求めたくなるのは、不安だからです。
正直、お気持ちはわかります。
①能力の差は、ほとんどありません
正直に書きます。
基本的な能力の差は、ほぼないと思っています。
もちろん、身体能力の差はあります。
100メートルを速く走れる人も、遅い人もいる。それは理解しています。
でも、仕事を覚えるスピードは、そういう種類の差ではありません。
そして、私が見てきた中で、はっきりした傾向があります。
慎重な人、丁寧な人、物事を深く考える人ほど、ゆっくり成長します。
いわゆる「覚えるのが遅い人」です。
でも私は、このスピードをまったく重要視していませんでした。
理由は単純です。
時間と経験を重ねると、その人たちも、誰もが頼る存在になっていくからです。
早く覚える人は、早い段階で頼られます。ゆっくり覚える人は、あとから頼られます。
どちらも、たどり着きます。違うのは、順番だけです。
あなたの周りにも、いませんか
こういう人です。
「あいつ、昔は全然やったのにな〜」
そう言われている人。笑
最初は要領が悪くて、覚えるのも遅くて、周りに追い抜かれていた。
それが数年後、いちばん頼られる存在になっている。
私は、こういう人を何人も見てきました。
なぜ、そうなるのか。
慎重に覚えた人は、忘れないからです。
深く考えて覚えた人は、なぜそうするのかまで理解しています。だから、応用が効きます。
そして、後輩に説明できます。教えられる側から、教える側に変わります。
今のあなたのスピードは、この先の立ち位置とは関係ありません。
たとえば3年後、あなたが後輩に教える側になっているとします。
そのとき効いてくるのは、覚えた速さではありません。
なぜそうするのかを、自分の言葉で説明できるかどうかです。
慎重に覚えた人は、ここで強いです。手順だけを暗記した人は、説明できません。
②覚えられないのは、教え方の問題かもしれません
もう一つ、教える側から正直に書きます。
覚えられない原因が、教える側にあることは非常に多いです。
私が教え方で意識していたのは、2つでした。
かみ砕いて、具体的に言う
「ちゃんとやっておいて」「なるべく早く」では、伝わりません。
人によって解釈が変わる言葉は、指示になっていません。
私自身、部下に「なるべく早く対応しておいて」と伝えて
先方からクレームをいただいたことがあります。
朝10時に伝えて、私は今日中のつもり、部下は明日中の解釈でした。
あれは、部下が覚えられなかったのではありません。私の言葉が曖昧だっただけです。
一つのことを様々な角度から伝える
同じ説明を繰り返しても、伝わらないときは伝わりません。
角度を変えます。
- 手順として言う
- 目的として言う
- 失敗例として言う
- 相手の立場から言う
どれか1つが引っかかれば、そこから全体が繋がります。
教える側の差はここに出ます
ここが、いちばん大事なところです。
教える側の経験が生きるのは、成功事例を語るときではありません。
失敗事例を語るときです。
そして、その差は圧倒的です。学びの量が、100倍違います。
「こうやれば上手くいく」と言われても、聞いている側は何も分かりません。
上手くいった状態しか見えないからです。
でも、「私はここで失敗した」と言われると、話が変わります。
どこに落とし穴があるのか。何をすると崩れるのか。
それが分かって初めて、手順の意味が分かります。
だから、成功談しか話さない先輩の下では、覚えられなくて当然です。
もし今の職場で誰も失敗談を話さないなら、それは環境の問題です。
あなたの記憶力の問題ではありません。
そして、あなたにできることが1つあります。
先輩に「どこで失敗しましたか」と聞いてください。
「どうやるんですか」より、はるかに多くのことが返ってきます。
これが、いわゆる「いい質問」というやつです。笑
いい質問とは、難しい質問のことではありません。相手が答えたくなる質問のことです。
「どうやるんですか」と聞かれた先輩は、手順を答えて終わります。
でも「どこで失敗しましたか」と聞かれた先輩は、自分の経験を話し始めます。
そして、話しているうちに背景まで教えてくれます。
同じ相手から、引き出せる量が変わります。
③「何ヶ月で覚えるべきか」に、答えはありません
検索していると、必ずこの疑問にぶつかります。
「仕事は、何ヶ月で覚えるものですか」
正直に答えます。基準はありません。
そして、ここを冷静に考えてほしいです。
もし期日の基準を設けて、その通りにできるのであれば、誰も仕事で悩んでいません。
「3ヶ月で覚えるもの」という基準が本当にあるなら
世の中から「仕事が覚えられない」という悩みは消えているはずです。
消えていないということは、基準が機能していないということです。
それなのに、世間は基準を求めたがります。
- 「3ヶ月が目安」
- 「半年で戦力に」
- 「1年で一人前」
そういう言葉が、どこかから降ってきます。
なぜ求めるのか。不安だからです。
自分が今どのあたりにいるのか分からない。だから、ものさしが欲しくなる。
でも、そのものさしは、あなたの仕事、あなたの会社、あなたの立場に
合わせて作られたものでは、ありません。誰かが平均で作った数字です。
他人が作った基準で自分を測って、落ち込む。これが、いちばん無駄な時間です。
基準の代わりに、自分の目標を持ってください
私も、基準は持っていません。
ただ、自分の中の目標は持っています。
3年で全体像を掴み、人に教えられるレベルまで持っていく。
これは基準ではありません。私が私に課しているだけの目標です。
そして、大事なことがもう1つあります。
その3年を、1年や2年にする努力は、必要だと思っています。
「ゆっくりでいい」と書きましたが、止まっていいという意味ではありません。
スピードを他人と比べる必要はない。
でも、自分の3年を縮める努力は、自分のためにやる価値があります。
あなたの状況別の答え
入社して1〜3ヶ月の人
覚えられなくて当たり前です。まだ全体像が見えていない段階です。
焦って基準を探すより、先輩の失敗談を1つ聞いてください。
そこから理解が繋がります。
半年〜1年経つのに覚えられない人
教わり方を変えてみてください。
手順を聞くのをやめて、「なぜそうするのか」と「どこで失敗するのか」を聞いてください。
周りより明らかに遅いと感じている人
慎重で丁寧なタイプかもしれません。そのタイプは、後から効いてきます。
「あいつ、昔は全然やったのにな〜」と言われる側になる可能性が高いです。
今の順位で、自分を決めないでください。
誰も失敗談を話してくれない職場の人
環境の問題です。成功談しか出てこない職場では、誰も育ちません。
あなたが聞く側から、「どこで失敗しましたか」と聞ける人になってください。
それだけで、集まる情報量が変わります。
よくあるQ
Q1. 何度も同じことを聞いてしまいます。迷惑ではないですか?
聞かずに間違える方が、迷惑です。
そして、同じことを何度も聞かれるなら、教える側の伝え方に問題があります。角度を変えて説明していない可能性が高いです。
Q2. メモを取っているのに、覚えられません。
メモの取り方が「手順」だけになっていませんか。
手順だけのメモは、応用が効きません。「なぜそうするのか」を1行足してください。それだけで、思い出せる量が変わります。
Q3. 周りと比べて焦ってしまいます。
比べる相手を変えてください。
先月の自分と比べてください。1つでも増えていれば、進んでいます。他人のスピードは、あなたの評価と関係ありません。
Q4. 覚えるのが遅いと、評価は下がりますか?
短期では、下がることもあります。
ただし、私は覚えるスピードを重要視していませんでした。見ていたのは、確認しているか、放置していないか、同じミスを仕組みで潰そうとしているか。そこです。
まとめ:明日やること
- 今日、先輩に「どこで失敗しましたか」と1つ聞く
- メモに「なぜそうするのか」を1行足す
- 他人が作った期間の基準を、探すのをやめる
- 自分の目標を1つだけ決める(3年後にこうなっていたい、でいいです)
- 先月の自分と比べて、増えたことを1つ書き出す
覚えるのが遅いことは、能力の低さではありません。
慎重に覚えた人は、忘れません。
そして、どれだけ聞いても失敗談が出てこない職場なら、それはあなたではなく環境の問題です。
外からどう評価されるかを知っておきたい方は、仕組みを先に読んでおいてください。
なぜ無料で使えるのか、から書いています。
注意(必ず読んでください)
ここに書いたのは、私の経験と持論です。
会社の規模も、業種も、あなたの立場も違えば、答えは変わります。
日常生活に支障が出るほど覚えられない、体調や睡眠に影響が出ている場合は
この記事の内容は当てはまりません。医療機関や専門の相談窓口に相談してください。
最後に決めるのは、あなたです。
あなたの人生を、あなた以上に大切にできる人はいません。
さいごに
覚えられなくて焦っている時期は、誰にでもあります。
私も異業種に移ったとき、15年やってきた経験が通用しない場所で、初心者に戻りました。
そのときに支えになったのは、覚える速さではありませんでした。
分からないことを、分からないままにしないこと。それだけです。
今のスピードで、自分を決めないでください。
ここが、あなたの人生で運を掴みにいく、最初のきっかけになれば幸いです。
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