はじめに
転職で、学歴がどこまで見られるのか不安な方へ。
「転職 学歴 関係ない」で検索すると、出てくるのはこういう記事です。
- 中途採用は、学歴より職歴が重視される
- 学歴フィルターは、あるのか
- 学歴に自信がない人の対策
書いているのは、転職エージェントと、転職サービスです。
そして最後は、「職歴と実績でアピールしましょう」で終わります。
私は中途採用の面接官をしていて、合否も決めていました。そして36歳のとき、自分も面接を受ける側に回って、転職しました。
そのうえで、先に書きます。
学歴は、見ていました。ただし、見る場面は限られていました。
先に結論:確認するのは3つ
① 新卒は、学歴で判断していました
② 中途で学歴を見るのは、判断の材料が少ないときです
③ 学歴の差をひっくり返すのは、社会に出てからの学びです
順番に書きます。
新卒は、学歴で見ていた
まず、新卒の採用です。
正直に、学歴が判断の大きな要素です。
理由は、ひとつです。
社会に出るまでの過程を見る材料が、ほぼ学歴しかないからです。
新卒の人には、職歴がありません。仕事で何をしてきたかを、見ようがないのです。
だから、学歴を見ます。合わせて、部活やアルバイトも参考にしていました。
どこで、何に打ち込んで、どのように育ってきたのか。それを知る手がかりが、学歴と、学生時代の過ごし方だけなのです。
新卒が学歴で有利と言われるのは、この仕組みがあるからだと思います。
ですが、社会に出たら話は変わります。
職歴という、新しい材料が増えるからです。
中途で学歴を見た3場面
では、中途採用ではどうだったか。
学歴で合否が変わったことは、あります。変わらなかったことも、あります。
答えは、状況によります。
私が中途採用で学歴を見たのは、主にこの3つの場面でした。
- 職歴が短い20代のとき
- 職種によって
- 短期離職があるとき
共通しているのは、職歴だけでは判断の材料が足りないときです。
20代で職歴が短ければ、仕事で何をしてきたかの情報が少なくなります。
短期離職があれば、なぜ辞めたのかを確かめる必要が出てきます。
材料が足りないとき、面接官は他の材料を探します。そのひとつが、学歴です。
裏返すと、職歴で語れる材料が十分にあれば、学歴の出番は少なくなります。
学歴が気になる方ほど、職歴で何を語れるかを先に整理してください。
学歴が高くなくても採った人
学歴が高くなくても、採用した人はいます。
共通していたのは、自分で考えて行動している人でした。
そして、職務経歴書やアピールの内容が、筋道立って正しかった人です。
何をして、なぜそうして、どうなったのか。そこに筋が通っていると、面接官は安心して話を聞けます。
一番の決め手になったのは、ある瞬間でした。
「この人は、準備しているのに、機会になかなか巡り合わなかったんだな」
そう思えた瞬間です。
学歴は、過去の結果です。変えることはできません。
ですが、準備は今からできます。
準備してきた跡が見えると、面接官は「うちで機会を渡したら、この人は伸びる」と考えます。学歴の差は、そこでひっくり返ります。
学歴が高くても落とした人
逆に、学歴が高くても、落とした人もいます。
理由は、他責です。
- 前の会社が悪かった。
- 上司が悪かった。
- 環境が悪かった。
そういう話し方をする人は、学歴がどれだけ高くても、採りませんでした。
他責で話す人は、入社後にうまくいかないことがあっても、同じように周りのせいにしてしまう可能性があるからです。
面接官が見ているのは、学歴の高さより、うまくいかなかったときにどう動く人かです。
社会人の学びが差になる
では、社会に出たあと、何が差になるのか。
仕事を前に進めてきたキャリアは、もちろん大事です。
そのうえで、私がもうひとつ大事だと思っているのは、社会人になってからの学習の習慣です。
総務省の調査(令和3年社会生活基本調査)では、仕事や学業以外の学習・自己啓発にあてる時間は、1日平均13分です。
1日にならすと、15分にも満たないということです。
だからこそ、差になります。
簿記やFPの資格を取っている。キャリアのために、ビジネススクールや大学で学び直している。
そういう内容が履歴書にある人と、ない人とでは、選べる選択肢が違うと私は思います。
ただ、ここは誤解のないように書いておきます。
面接官として私が高く評価したのは、学問や資格の名前ではありません。
自分に足りないところを、自分で理解して、学んだ人です。
資格の名前だけなら、誰でも並べられます。ですが、「自分にはここが足りなかった。
だから、これを学んだ」と語れる人は、自分を客観的に見られる人です。
そういう人を採ると、面接官の側も刺激をもらえます。そして、会社と本人が、いい相乗効果を生みます。
学歴が気になっている方へ
学歴は変えられませんが、社会に出てからの学びは、今日から足せます。
働きながら大卒の資格を取る、という選択肢もあります。
学び直しで、大卒の資格を取りたい方は
ソフトバンクグループが運営する、授業がオンラインの通信制大学です。
私は通っていませんが、働きながら学位を目指せる選択肢として、まず資料で中身を確かめてみてください。
決算書が読めなかった
最後に、私自身が学び直した話を書きます。
きっかけは、恥をかいたことでした。
会社のBS(貸借対照表)、PL(損益計算書)、CF(キャッシュフロー計算書)が読めなくて、経営会議で恥をかいたのです。
正確に言うと、日本語は分かりました。
たとえば「車両費」と書いてあれば、車に関係する費用なんだろうな、くらいは分かります。
ですが、その数字が適正なのか、適正でないのかが分かりませんでした。
何が、どう仕訳されているのかも分かりません。
だから、BS・PL・CFに対して、現実的な打ち手や改善策を出せませんでした。
3種類の表を、ただ読めればいいわけではありません。
どこをどうすれば会社に利益が残り、財務が健全になり、従業員や会社の基盤がよくなるのか。それが分からなかったのです。
そこから、本を読み、勉強しました。
始めたのは、簿記からです。
簿記を学ぶと、数字がどの取引から生まれたのかが分かるようになります。
仕訳の仕組みが分かると、決算書の数字が「結果」ではなく「打ち手の手がかり」に見えてきます。
そして、思わぬ副産物がありました。
今、日本の高配当株に投資するときに、この知識がそのまま役に立っています。企業の決算書を見るときに、数字の意味が分かるからです。
経営会議で恥をかいたことは、今は、いい経験だったと思っています。
良い経験も、悪い経験も、すべて大切です。
大事なのは、そこから「じゃあ、どうするか」を考えて、行動することです。
決算書が読めなくて困っている方は、簿記から始めるのが近道だと思います。
クレアール簿記アカデミー私はここで簿記を学びました。
あなたの状況別の答え
学歴に自信がなく、転職をためらっている方へ。
中途採用で学歴を見るのは、判断の材料が少ないときです。職歴で語れることを先に整理してください。
20代で、職歴がまだ短い方へ。
材料が少ない分、学歴を見られやすい時期です。職務経歴書の筋道と、準備してきた跡で補ってください。
短期離職がある方へ。
なぜ辞めたのかを、他責にせずに語れるかが分かれ目です。周りのせいにした時点で、学歴に関係なく厳しくなります。
学び直しを迷っている方へ。
資格の名前より、「自分に足りないところを理解して学んだ」ことが評価されます。何が足りないかを書き出すところから始めてください。
管理職・専門職として実績がある方、年収600万円以上の方へ。
学歴より、これまでの実績を外から評価してもらう段階です。
JACリクルートメント私の場合は、経歴を登録したところ、向こうから求人が届く形になりました。
よくあるQ
Q. 中途採用で、学歴は本当に関係ないのですか。
関係ない、とは言い切れません。
私は、職歴が短い20代、職種、短期離職があるときに学歴を見ていました。判断の材料が少ないときです。
Q. 学歴フィルターで、書類で落とされることはありますか。
新卒では、学歴で判断していました。中途では、状況によります。職歴で語れる材料が十分にあれば、学歴の出番は少なくなります。
Q. 学歴が高くないと、不利ですか。
私には、学歴が高くなくても採用した人がいます。
決め手は、自分で考えて行動していること、そして準備してきた跡が見えたことでした。
Q. 学歴が高ければ、有利ですか。
学歴が高くても、落とした人はいます。理由は、他責でした。
Q. 学び直しは、転職で評価されますか。
私は、高く評価していました。ただし、見ていたのは資格の名前ではなく、自分に足りないところを理解して学んだかどうかです。
まとめ:今から出来ること
転職と学歴は、「関係あるか、ないか」で語られています。
- 新卒は、学歴で判断していた。社会に出るまでの材料がそれしかないから
- 中途で学歴を見るのは、職歴が短い、職種、短期離職など、材料が少ないとき
- 学歴の差は、準備してきた跡と、筋の通った職務経歴書でひっくり返る
- 学歴が高くても、他責なら落とす
- 社会人になってからの学びは、選べる選択肢を変える
今日できることは、ひとつです。
自分に足りないところを、ひとつ書き出してください。
それを埋める学びが、学歴の代わりに、あなたの履歴書に残ります。
学び直しで大卒の資格を目指したい方は、サイバー大学の資料から。
すでに実績がある方は、JACリクルートメント で外からの評価を確かめてみてください。
JACリクルートメント注意(必ず読んでください)
ここまで書いたことは、すべて私一人の事例です。
私が面接官として見ていたことは、私の見方です。会社や面接官によって、学歴の見方は違います。
また、勉強時間の数字は、総務省の令和3年(2021年)の調査です。2026年の調査の結果は、まだ公表されていません。
そして、いちばん大事なことを書きます。
転職するかどうか、何を学ぶかは、最終的にあなたが判断してください。
私の言葉で決めて、うまくいかなかったとき、あなたの人生の責任を私は取れません。
自分の人生の大きな決断の主語は、いつでも自分です。
さいごに
学歴は、社会に出るまでの結果です。
変えることは、できません。
ですが、社会に出てから何を学ぶかは、今日から選べます。
私は、決算書が読めずに恥をかいたところから、簿記を始めました。
良い経験も、悪い経験も、そこから「じゃあ、どうするか」で、意味が変わります。
ここが、あなたの人生で運を掴みにいく、最初のきっかけになれば幸いです。
この記事を読んだあなたへ
知識を得た次は、行動に移すとき。
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まず「知る」だけでも、景色は変わります。


