はじめに
私は、5つの部署のうち4つを、自分で選んでいません。
「キャリア迷子」で検索してみてください。
出てくるのは、こういう記事です。
- キャリア迷子から抜け出す方法
- 自分軸の作り方
- やりたいことの見つけ方
書いているのは、研修会社と、キャリアコーチングの会社と、転職サービスです。
そして最後は、無料相談か、体験セッションで終わります。
関連キーワードを見ると、もっとはっきりします。
並んでいるのは、キャリアコーチング 失敗、キャリアコーチ いらない、キャリアコーチング体験談。
つまり、抜け出す方法を読みに行った人が、その方法を売っている会社を疑って、戻ってきています。
私には、売るものがありません。
だから、先に書きます。
やりたいことを焦って、見つけなくて大丈夫です。
先に結論:確認するのは3つ
① 「やりたいこと」が分からないのは、正常です
② 迷子の正体は、目的地ではなく、現在地が分からないことです
③ 選べない場所でも、見方は選べます
順番に書きます。
5つの部署は、全部辞令でした
私は22歳で大学を出て、専門商社に入りました。15年いました。
その間に回った部署は、5つです。回った順に書きます。
- 物流
- 営業
- 仕入
- 総務
- 人事
このうち4つは、辞令です。
最初の配属は、物流でした。
そして2つ目の営業だけは、自分から取りに行きました。
いま「キャリア迷子」と検索している方の多くは、たぶんこう思っています。やりたいことが分からない、だから動けない、と。
私にやりたいことがあったのは、5つのうち1つだけです。残りの4つは、選んでいません。
それでも、迷子だとは思いませんでした。
理由を書きます。
迷子の正体は、現在地です
ここが、この記事で一番伝えたいところです。
迷子という言葉を、一度そのまま考えてみてください。
人が迷子になるのは、行き先を決めていないからではありません。
自分がいまどこにいるか分からないからです。
地図の上で現在地が分かっていれば、目的地が決まっていなくても、迷子ではありません。
とりあえず北に行くか、南に行くか、判断できます。
逆に、目的地だけ決まっていても、現在地が分からなければ、一歩も動けません。
だから、やりたいこと探しから始めると、うまくいかないのです。順番が逆です。
先に必要なのは、現在地です。
では、現在地はどうやって分かるか。
自分の中を掘っても、出てきません。自己分析を何時間やっても、出てくるのは自分の中にあるものだけです。
現在地というのは、他者から見た位置のことです。
そして、いまの会社の中に、その他者はいません。上司も同僚も人事も、同じ社内の物差しであなたを見ています。
成績が社内で3番目、という情報は、社外では意味を持ちません。
社外の人に、自分の経歴を見てもらう。これが、一番早くて、一番正確です。
これこそ、キャリアの現在地です。
管理職・専門職として実績がある方、年収600万円以上の方は
JACリクルートメント経歴を登録すると、どういう求人が届くかが分かります。
届いた求人の業種や年収帯が、あなたの現在地です。届かなければ、それも現在地です。
まだその年収帯ではない方や、まず求人そのものを幅広く眺めたい方は
転職するかどうかは、そのあとの話で構いません。現在地が分かってからで、間に合います。
希望したのは、営業だけです
5つのうち、1つだけ、自分から取りに行きました。
2つ目の、営業です。
最初に配属されたのは物流でした。そこから、新年会の席で、社長を含む役員に、直接アピールしました。営業をやりたいです。と
結果として、営業に行かせてもらいました。
ここで言いたいのは、アピールしろということではありません。
5つのうち、本気で取りに行ったのは1つだけだった、ということです。
やりたいことが5つ必要なわけではありません。ひとつあれば十分ですし、それすら今はなくて構いません。
残りの4つは、行ってから意味が分かりました。
仕入の辞令で、正直思ったこと
辞令の中で、一番考えたのは仕入です。
売る立場から、買う立場に変わります。
いい意味で、どうなんだろうと思いました。
営業のしんどさを、私は知っています。断られる側の気持ちも、数字が足りない月の焦りも、全部経験しています。
だから、仕入の席に座ったとき、自分は全部買ってしまうんじゃないか、と思いました。
情が、理に負けるかもしれない。そう思ったということです。
ただ、座ってみて分かったことがあります。
仕入にも、営業力は必要でした。交渉力と同じくらい必要です。
買う側だから強い、ということはありません。相手にも都合があり、条件があり、守りたい線があります。
そこを動かすのは、結局のところ営業と同じ仕事でした。
そして、利益の構造が見えました。利益は、売る側だけで作るものではありません。
買う側がどういう条件で仕入れたかで、その商品の利益はもう決まっています。
仕入に行かなければ、ここは見えていませんでした。
選べなかった場所で、選べなかったからこそ見えたものです。
効いたのは、転職のときではない
ここは、自分でも意外でした。
5つの部署を回った経験が一番効いたのは、転職のときではありません。
個人事業主として、自分の会社を持ったときです。
会社員のときは、自分の部署のことだけ考えていれば回ります。誰かが仕入れて、誰かが運んで、誰かが請求しています。
自分でやると、全部が自分に来ます。
仕入も、物流も、経理も、人の問題も、全部です。
そのとき、5つの部署でやっていたことが、そのまま繋がりました。一気通貫で見える、という感覚です。
少しそれますが、経営者の2代目が、銀行に勤めるのは理にかなっていると思います。
お金がどう動くか、事業がどう評価されるか。その基礎を先に理解しておく。あとから効いてくるのは、そこです。
私の場合は、それが5つの部署でした。
辞令で回されただけの15年が、そういう形で返ってきました。
5つの部署を回って分かったことは、こちらに書きました。
あなたの状況別の答え
状況によって、次にやることが変わります。
やりたいことが見つからない方へ。
見つけなくて構いません。私にあったのは、5つのうち1つだけです。
先に現在地を確かめてください。目的地は、現在地が分かってから決めれば間に合います。
異動が続いて、キャリアが積み上がっていないと感じる方へ。
積み上がっていないように見えるのは、まだ一気通貫で見ていないからです。
それぞれの部署が、会社のどこの数字に触れていたか。一度、スタートからゴールまで並べてみてください。
キャリアコーチングを受けようか迷っている方へ。
受けるなとは言いません。ただ、有料の相談に申し込む前に、無料でできることが残っています。
社外から自分の経歴がどう見えるかを、先に確かめてください。順番として、そちらが先です。
40代で、いまさら方向転換できないと思っている方へ。
私は36歳で、15年いた業界を離れました。当時40代ではないので「私も同じでした」とは言いません。
ただ、確かめることに年齢は関係ありません。確かめたうえで、いまの場所に残る選択もできます。
よくあるQ
Q. やりたいことがない自分は、おかしいですか。
おかしくありません。私が自分で取りに行ったのは、5つのうち1つだけです。残りの4つは、やりたいと思って行ったわけではありません。
Q. 自己分析は意味がありませんか。
意味はあります。ただ、自分の中にあるものしか出てきません。
現在地は他者から見た位置なので、自己分析では出ません。両方やるなら、外から先にやる方が早いです。
Q. 異動を断ってもいいですか。
断るかどうかは、あなたの状況次第です。ただ、私は4つとも受けて、どれも無駄になりませんでした。
少なくとも、受けたから迷子になった、ということはありません。
Q. 登録したら、転職しないといけませんか。
なりません。現在地を確かめるための登録です。確かめて、いまの会社が一番いいと分かることもあります。それも成果です。
Q. 専門性がないのが不安です。
一つの専門を深く持つ人と、複数を一気通貫で見られる人は、市場で別の評価をされます。
どちらが上ではありません。自分がどちらとして見られているかは、社外の求人を見れば分かります。
まとめ:今から出来ること
キャリア迷子という言葉は、目的地の話に聞こえます。でも、実際は現在地の話です。
- やりたいことは、見つけなくていい
- 迷子の正体は、現在地が分からないこと
- 現在地は、自分の中を掘っても出てこない
- 社内の物差しは、社外では通用しない
- 選べない場所でも、見方は選べる
今日できることは、ひとつです。
社外から、自分の経歴がどう見えるかを確かめてください。
JACリクルートメント目的地を決めるのは、そのあとで間に合います。
自分の位置を確かめる方法は、こちらにまとめています。
年収600万円未満の方や、まず幅広く求人を見たい方は、リクナビNEXT からどうぞ。
注意(必ず読んでください)
ここまで書いたことは、すべて私一人の事例です。
私が回ったのは5つの部署で、同じ会社の中での話です。業界も、職種も、家庭の状況も、人によって違います。
辞令を受け続けることが、誰にとっても正解だとは思いません。
キャリアコーチングを否定する意図もありません。私は使っていないので、良し悪しを語る資格がありません。
ただ、有料の前に無料でできることがある、とは言えます。
そして、いちばん大事なことを書きます。
どこへ進むかは、最終的にあなたが判断してください。
私の言葉で動いて、うまくいかなかったとき、あなたの人生の責任を私は取れません。
自分の人生の大きな決断の主語は、いつでも自分です。
さいごに
私がやりたいと言ったのは、営業だけでした。
あとは辞令で回され、行った先で目の前のことをやって、また辞令で動きました。
それでも迷子だと感じなかったのは、たぶん、自分がいまどこにいるかだけは見ようとしていたからです。
目的地は、あとから決まりました。
あなたも、今日決めなくて大丈夫です。
ただ、現在地だけは、今日確かめられます。
ここが、あなたの人生で運を掴みにいく、最初のきっかけになれば幸いです。
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