管理職は罰ゲームですか ~納得してやっているのは、自分ですよね~

キャリア・転職の考え方
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はじめに

管理職本人に向けて書かれた記事が、1本もありません

「管理職 罰ゲーム」で検索してみてください。

出てくるのは、こういう記事です。

  • 管理職の負荷が上がっている〇の要因
  • 疲弊した管理職を救うために、企業ができること
  • 罰ゲーム化を止める〇つのアプローチ

書いているのは、人事コンサル、組織開発の会社、産業医サービス、1on1ツールの会社です。

そして、読者は人事部と経営層です。

記事の最後は「管理職を罰ゲームにさせない組織づくりをご支援します」で終わります。

つまり、いま管理職をやっている本人に向けて書かれた記事が、1ページ目に1本もありません。

自分が「救済される対象」として語られている記事を読んで、明日から何かが変わるでしょうか。

私は専門商社で、4つの部署・46人を見る立場までやりました。

通算では100名を超える部下を預かっています。

そのうえで、あなたに向けて書きます。


先に結論:確認するのは、この3つです

1⃣ 構造がきついのは、本当です

 そこは否定しません。数字も出ています。

2⃣ ただ、納得してやっているのは、自分ですよね

 やらされているのか、選んでいるのか。ここが分かれ目です。

3⃣ 罰ゲーム感の正体は、権限がないことです

 責任だけが増えて、権限が増えない。なら、権限を取りに行けばいいです。

 順番に書いていきます。


構造がきついのは、本当です

先に、はっきり書いておきます。

管理職の負荷が上がっているのは、事実です。

上からは数字を求められ、下からは働きやすさを求められる。板挟みの真ん中に立たされます。

そのうえ、部下のメンタルケアまで、管理職の役割として明記されるようになりました。

権限は増えないのに、責任だけが増え続けている。

「罰ゲーム」という言葉がこれだけ広まったのは、実感と合っているからだと思います。

だから私は、「気の持ちようです」とは書きません。それは、しんどい人を追い詰めるだけです。

そのうえで、続きを書きます。


納得してやっているのは、自分ですよね

正直に言うと、私は管理職を罰ゲームだと、感じたことがありません。

むしろ、早くやりたかった側です。

理由を書きます。

物事には、裏と表があります。リスクとリターンがあります。

責任が重いのは、その分だけ動かせる範囲が広いということです。

判断を任されるのは、その分だけ自分の考えを形にできるということです。

私にとっては、そちらの方が魅力でした。

そして、ここが一番言いたいところです。

納得して管理職をやっているのは、自分ですよね。

誰かに無理やり座らされたわけではないはずです。

断ることもできたはずです。それでも受けたのは、自分で選んだからです。

もちろん、私にもしんどい時期はありました。

でも、だから何?です。

そこでストレッチした分、良い時期もちゃんと来ます。

しんどい時期だけを切り取って

「罰ゲームだ」と言うのは、片方の面しか見ていないことになります。

突き放しているわけではありません。

念のために書いておきます。

私は「つらいと言うな」と言っているのではありません。

つらいのは事実だと、先ほど書いた通りです。

言いたいのは、主語を自分に戻したほうが、動けるようになるということです。

「組織が悪い」で止まると、組織が変わるまで何も起きません。

「自分は納得して座っている」を自覚すると、次に何をするかを自分で決められます。

そして、実際に私がやったことを、ここから書きます。


罰ゲーム感の正体は、権限がないことです

しんどさの中身を分解すると、こうなります。

  • 責任がある。
  • 仕事量が多い。
  • 板挟みになる。

このうち、いちばん人を消耗させるのは

責任があるのに、それを果たすための権限がないことだと思っています。

やれと言われる。でも、動かす力がない。これが続くと、人は無力感を持ちます。

逆に言えば、権限さえあれば、同じ仕事量でも景色が変わります。


私は、手当のない役職をもらったことがあります

実体験を書きます。

いわゆる名誉職をいただいたことがあります。

役職名はあるのに、手当のない役職です。

肩書きだけが増えて、報酬は変わらない。責任だけが乗ってくる。

まさに、いま「罰ゲーム」と言われている状態そのものです。

そのとき、私がどうしたか。

逆手に取って、権限を取りに行きました。


権限は、社内営業で取りに行きます

やったことは、単純です。

権限を付与できる立場の方への、社内営業です。

役職名だけがあるということは、その名前を使って動ける余地があるということでもあります。

だから、決裁権を持っている人のところへ行きました。

そこでやったのは、お願いではありません。営業です。

こうしたい、そのためにこの範囲の判断を任せてほしい、任せてもらえたらこういう結果を出せる。

相手にとってのメリットを先に置いて、話をしに行きました。

社内営業でやることは、客先とまったく同じです。

相手が今なにに困っていて、何を言われたら嬉しいか。それを考えて、動く量を増やす。

私は営業を15年やって、最後に残ったコツは、2つだけだと思っています。

情と理を使う。そして、相手の立場に立って考え行動量を増やすことです。

そして、この2つは業界が変わっても持ち運べました。相手が社外か社内かでも、変わりません。


公式のパワーと、非公式のパワー

権限を取りに行くとき、私が意識していたのは影響力の使い分けです。

公式のパワー

会社の中にある力です。役職、役割、組織の中での立ち位置。

制度として与えられているものを、きちんと使い切ります。

名誉職であっても、名前があるということは、公式のパワーが少しはあるということです。

それを遠慮して使わないのは、もったいないです。

非公式のパワー

会社の外にある力です。取引先の担当者、仕入先、社外の協力者。

これが、意外と効きます。

社内の人間が言うより、外の人間が言う方が響くときがあるからです。

同じ内容でも、部下が言えば「またあいつが言っている」で終わることが

仕入先の担当者から言われた途端に検討が始まる。そういう場面を、何度も見てきました。

一人で押し通そうとしないことです。誰の言葉なら届くかを考えて、その人に協力してもらう。

これも仕事のうちだと思っています。


しんどさは、体を動かして抜いていました

負荷をどう処理していたか、正直に書きます。

相談相手は、いました。話を聞いてもらったこともあります。

ただ、基本的に答えはありません。誰かに聞いて解決するなら、とっくに解決しています。

だから私がやっていたのは、これです。

ジムに行くことです。

理由は、精神論ではありません。ストレスで心身をやられないためです。

体を動かして、しっかり疲れさせて、よく寝る。それだけです。

眠れているかどうかで、次の日の判断の質が変わります。

判断の質が落ちると、仕事がさらにしんどくなります。

そこを断ち切るために、体を使っていました。

ジムでなくても構いません。歩くだけでもいいと思います。

大事なのは、頭ではなく体を疲れさせることです。

要はストレスを発散できれば、なんだっていいんです。


「管理職になりたくない」と言われたら

部下から言われたことがあります。何度もあります。

そのとき、私が何と答えていたか。

「そうなんやー、残念やなー。○○さんを任命したかったのに。」

これだけです。

説得はしません。管理職の魅力を語ることもしません。

バッターボックスでバットを振るのは、私ではないからです。笑

打席に立つかどうかは、本人が決めることです。

私にできるのは、「あなたに立ってほしかった」と伝えることだけです。

そして、この一言だけは必ず言うようにしていました。

期待されていたという事実は、断った後も本人の中に残るからです。

何年か経って、自分から手を挙げる人もいました。


あなたの状況別の答え

■責任だけ増えて、権限がないと感じている

そこが罰ゲーム感の正体です。

権限は与えられるのを待つものではなく、取りに行くものです。

決裁権を持っている人に、営業をかけてください。

■上と下の板挟みで動けない

一人で押し通そうとしていませんか。

誰の言葉なら届くかを考えて、その人に協力してもらってください。

社外の人が効くこともあります。

■管理職を続けるか迷っている

続けるか降りるかの前に、自分が納得して座っているかを確認してください。

やらされていると感じているなら、まず権限を取りに行く。

それでも変わらないなら、そこから考えても遅くありません。

■もう限界だと感じている

この記事の内容は、いったん忘れてください。

眠れない、食欲がないという状態なら、優先すべきは休むことです。

下の注意書きを読んでください。


よくあるQ

Q1. 権限をくださいと言って、断られませんか?

お願いなら断られます。営業として行ってください。

こうしたい、そのためにこの判断を任せてほしい、任せてもらえたらこの結果を出す。

相手のメリットを先に置けば、話は変わります。

Q2. 手当のない役職は、断るべきですか?

私は受けて、逆手に取りました。

名前があるということは、使える公式のパワーがあるということです。

ただ、これは私が「早くやりたかった側」だから成立した話でもあります。

Q3. しんどい時期は、どのくらい続きましたか?

時期によります。ただ、ストレッチした分だけ、後で良い時期が来ました。

しんどい時期だけを切り取って、判断しない方がいいと思っています。

Q4. 部下に管理職を勧めるべきですか?

勧めません。

「あなたに任せたかった」とだけ伝えます。

バットを振るのは本人です。


まとめ:今から出来ること

  1. 自分は納得して座っているか、一度確認する。

  やらされているのか、選んでいるのか。ここが分かれ目です。

  1. 責任に対して、権限が足りていない場所を1つ書き出す。

  罰ゲーム感の正体は、たいていここにあります。

  1. その権限を持っている人に、営業をかける準備をする。

  お願いではなく、相手のメリットを先に置いた提案として。

  1. 社外に、協力してもらえる人がいないか考える。

  社内の言葉より、外の言葉が響くことがあります。

  1. 今日は、体を動かして早く寝る。

  判断の質が落ちると、仕事はさらにしんどくなります。


注意(必ず読んでください)

ここに書いたのは、私が管理職として46人を見て

通算100名を超える部下を預かった中での考えです。

会社の規模、業種、組織の状況によって、正解は変わります。

そして、この記事は「つらいと言うな」という話ではありません。

管理職の負荷が、構造的に上がっているのは事実です。

眠れない、食欲がない、朝起きられない、涙が出るといった状態が続いている場合は

この記事の内容は当てはまりません。まず休むこと、そして医師や専門機関に相談することを

何よりも優先してください。産業医や社内の相談窓口を使うことは、弱さではありません。

最後に決めるのは、あなたです。

あなたの人生を、あなた以上に大切にできる人はいません。


さいごに

管理職が罰ゲーム化しているという話は、たぶん事実です。

ただ、それを言っているのは、多くが「管理職を支援するサービスを売っている側」です。

罰ゲームであってくれないと、売るものがなくなるからです。

私は売るものがないので、正直に書きます。

私は、管理職を経験してよかったと思っています。

人を預かる責任も、判断の重さも、板挟みも、全部ありました。

しんどい時期もありました。それでも、あの経験がなければ今はありません。

そして、こうも思っています。

役職は、あなたそのものではありません。権威ではなく、権限です。

肩書きを外したときに何が残るのかは、こちらに書きました。

そして、その「社会人経験値」に、いくらの値段がつくのか。

それは、社内にいる限り分かりません。

私が自分の値段を知ったのは、営業所の所長をやっていたときでした。

軽い気持ちで登録して、面談で言われた一言に、その場で固まりました。

ジェイエイシーリクルートメント

ここが、あなたの人生で運を掴みにいく、最初のきっかけになれば幸いです。

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