はじめに
先に言っておきます。共感はしません。
「優秀な人 辞める ショック」で検索すると、出てくるのはこういう記事です。
- 優秀な人が辞める会社の特徴10選
- 人が辞めていく会社の末路
- まともな人から辞めていく職場の共通点
答えは全部同じです。「会社が悪い」。
- 給料が安い
- 評価が不当
- 上司の質が低い
- 人間関係が悪い
読むと、たしかにスッキリします。
ただ、読み終わったあと、あなたの職場は何か変わったでしょうか。
私は専門商社で、4つの部署・46人を見る立場までやりました。
通算100名を超える部下を預かって、24人を送り出しています。
そのうえで、正直に書きます。
優秀な部下に辞められて、私は一度もショックを受けたことがありません。
むしろ、喜ばしいことでした。
先に結論:この3つです

1⃣ 送り出すのは、嬉しいことです
自分のところで成長して、次に行く。それ以上の言葉がありません。
2⃣ 「この会社はダメだ」と言っている暇はありません
ポジションが空きます。じゃあ、どうするか。
3⃣ ここが、大きく手を打てるタイミングです
痛みを伴う変化を打てるのは、この瞬間だけです。
順番に書いていきます。
なぜショックではないのか
自分のもとで一生懸命働いてくれて、しっかり成長して、次のステージに行く。
嬉しい以外に、言葉がありません。
冷たく聞こえるかもしれませんが、逆だと思っています。
その人が「ここでは物足りない」と思えるところまで、伸びたということです。
それは、預かっていた側の仕事が形になったということです。
もしショックを受けているとしたら
たぶん見ているのは、その人の成長ではなく、自分の職場の穴です。
気持ちは分かります。ただ、そこを見ている限り、次に進めません。
上司の仕事は、業績と育成です。
育成が成功した結果として人が出ていくのは、失敗ではありません。
送り出すことについては、こちらに書きました。
「この会社はダメだ」と言い出す人がいます
優秀な人が辞めると、必ず出てきます。
「あの人が辞めるなんて、この会社は終わりだ」
「まともな人から辞めていく」
そういう声を聞くたびに、私は不思議に思っていました。
誰の人生を生きているんですか。
会社の評価をしている間、その人自身は1ミリも前に進んでいません。評論しているだけです。
そして、こういう空気が、連鎖退職を呼びます。
辞めた本人ではなく、残った人が作った空気が呼びます。
ネガティブを言っている暇は、本当にありません
事実として、何が起きているか
辞めた人のポジションが、空いています。
これは間違いなく空きます。担当も、役割も、責任も。
だったら、どうするか。そこだけ考えればいいと思っています。
「この会社はダメだ」と言っている人と、「じゃあ自分が取りに行こう」と考えた人。
半年後、まったく違う場所にいます。
ここが、いちばん大きく手を打てるタイミングです
ここからは、組織を預かっている人に向けて書きます。
優秀な人が抜けたとき、既存メンバーで仕事を前に進めるのは当たり前です。
それは、やって当然のことです。
そのうえで言います。
こういうときこそ、組織のリーダーの真価が問われます。
穴埋めではなく、配置を組み替える
多くの管理職は、抜けた人の担当を誰かに割り振って終わりにします。穴埋めです。
私はそうしませんでした。
大きく担当や配置換えを打つべきタイミングだと考えていました。
理由は単純です。平時に配置換えをすると、必ず反発が出ます。
「今のままでいい」「なぜ変えるのか」と。
でも、優秀な人が抜けた直後は違います。誰の目にも、変えざるを得ない状況が見えています。
痛みを伴う変化を打てるのは、この瞬間だけです
変化には、必ず痛みが伴います。
- 担当が変わる。
- 慣れた仕事を離れる。
- 新しいことを覚え直す。
平時にこれを求めると、抵抗されます。
ところが、大きな穴が空いた直後なら、みんなが「変わるしかない」と分かっています。
準備していた案があるなら、出すのは今です。
幸運とは、準備と機会が出会うことです。
私が好きな言葉です。
優秀な人が辞めるのは、機会の方です。避けられません。向こうからやってきます。
問題は、準備があるかどうかです。
「あの人にこの担当をやらせてみたい」「この2つの部署は本当は分けた方がいい」
そういう案を、普段から持っているか。
持っていれば、この瞬間に打てます。持っていなければ、穴埋めで終わります。
同じ出来事が、幸運になるか、ただの損失になるかは、そこで分かれます。
そして、リーダーはここに力を注いでください。
配置を変えたら、安定するまで、そこに力を注ぎ切ってください。
変えた直後がいちばん不安定です。ここで放置すると、変えたこと自体が失敗になります。
打つなら、最後まで面倒を見る。それがセットです。
「会社が悪いから辞める」について
最後に、SERPの上位が全部書いていることに答えます。
優秀な人が辞めるのは、会社が悪いからだ。
気持ちは分かります。実際、そういう会社もあります。
ただ、言ってどうなりますか。
だったら、あなたが成長して、会社の環境を変えてみたらどうですか。
環境をよくするのは、管理職の役割です。
あなたが管理職でないなら、そこまで行ってから変えればいいと思います。
見えているのに、行動しない。これがいちばん最悪です
厳しい言い方をします。
目の前にゴミが落ちています。すぐそばに、ゴミ箱があります。
でも、あなたは何もしません。気づいているのに。
どうなんでしょうね。
会社の問題点が見えているというのは、それだけで価値のあることです。
見えていない人よりずっと前にいます。
その状態で止まっているのが、いちばんもったいないです。
拾って捨てるか、この場所を出るか。どちらでも構いません。
ただ、見えているのに何もしないという選択だけは、何も生みません。
あなたの状況別の答え
部下に辞められて落ち込んでいる
その人が成長した結果です。育成が成功したということです。
明日から、空いたポジションをどうするかだけ考えてください。
周りが「この会社はダメだ」と言い始めた
その空気が連鎖退職を呼びます。
「じゃあ、どうする?」と切り返してください。評論を止めるのは、問いです。
穴埋めで手一杯
穴埋めで終わらせないでください。配置を組み替えられる、数少ないタイミングです。
普段から持っている案があるなら、今出してください。
自分が残された側で、しんどい
会社を評価する時間を、自分のことを考える時間に変えてください。
ポジションは空いています。
自分も辞めた方がいいのか迷っている
連鎖に乗って辞めるのは、他責です。
自分の意志で決めたなら、それは別の話です。
よくあるQ
Q1. 本当に一度もショックはなかったんですか?
ありません。
嬉しい以外に言葉がないというのが正直なところです。
Q2. 戦力が落ちて数字が下がるのは困りませんか?
困ります。だから配置を打ちます。
穴埋めではなく、組み替えです。
Q3. 優秀な人が辞めるのは、やっぱり会社に原因があるのでは?
あることもあります。
ただ、それを言うだけの人には、何も起きません。
Q4. 準備しておく案とは、具体的に何ですか?
「この人にこの担当を任せてみたい」「この2部署は分けた方がいい」
普段から考えていることです。
まとめ:今から出来ること
- 辞めた人ではなく、空いたポジションを見る。
そこに何を置くか。それだけです。
- 「この会社はダメだ」と言うのを、今日でやめる。
言っている間、自分は進んでいません。
- 普段から温めていた案を、1つ出す。
打てるのは、いまだけです。
- 配置を変えたら、安定するまで面倒を見る。
打ちっぱなしが、いちばん失敗します。
- 目の前のゴミを、1つ拾う。
見えているのに動かないのが、いちばんもったいないです。
注意(必ず読んでください)
ここに書いたのは、私が管理職として経験したことと、その中での考えです。
会社の規模、業種、チームの状況によって、正解は変わります。
そして、この記事は「落ち込むな」という話ではありません。
落ち込むこと自体は自然です。
ただ、その時間を短くする方法として、私の考えを書きました。
また、退職者が続いて眠れない、食欲がないなど
心身に不調が出ている場合は、この記事の内容は当てはまりません。
まず休むこと、そして医師や専門機関に相談することを優先してください。
最後に決めるのは、あなたです。あなたの人生を、あなた以上に大切にできる人はいません。
さいごに
優秀な人が辞めていくのは、止められません。
止められないものについて考えるより
空いた場所に何を置くかを考えた方が、間違いなく前に進みます。
そして、もう一つ。
優秀な人が辞めたということは、その人は外で通用すると判断したということです。
あなたは、どうでしょうか。
自分が外でいくらの価値なのかは、社内にいる限り分かりません。
評論している側にいるか、確かめに行く側にいるか。
その差は間違いなく、10年後に大きく出ます。
私がそれを知ったのは、営業所の所長をやっていたときでした。
軽い気持ちで登録して、面談で言われた一言に、その場で固まりました。
本当に無知は、怖いです。
ここが、あなたの人生で運を掴みにいく、最初のきっかけになれば幸いです。
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