はじめに
正直に言うと、辞めた直後は、もっと重たい気持ちになると思っていました。後悔や喪失感を味わうと思っていたからです。
でも、現実は違いました。職場を出た瞬間、なぜか気持ちは軽くて、空がやけに青く見えました。
「あ、終わったんだな」と同時に、「ここからまた始まるんだな」。次の日から、ワクワク感が止まりませんでした。
15年間勤めた専門商社で、GMという役職を手放した日でした。GMという曖昧な表現は、すみません。
配慮すべき仲間や会社がありますので、許してください。
役職は、自分のものではなく「預かりもの」
肩書きがなくなっても、経験と信頼は残る
最後に残るのは、学び続ける力
役職に感じていた責任と誇り
肩書きに、誇りはありました。ただし、それは「偉い」という意味ではありません。権限であり、こういう意味での誇りです。
- 人を預かる立場
- 組織を前に進める責任
- 判断の重さを背負う役割
私はずっと、「役職は自分のものではなく、預かりもの」だと考えていました。だからこそ、この3つだけは徹底してきました。
- 人を育てる
- 次に渡す
- 崩さずに引き継ぐ
次の人が気持ちよく引き継いでくれてこそ、価値があるというものです。
転職を決めた瞬間に、役職を手放した
辞めた理由は、シンプルです。転職を決めたからです。きっかけは、こうでした。
- このままでいいのか、という違和感
- 新しい環境で成長したい気持ち
- 自分の市場価値を試したい感覚
その瞬間に、不思議と役職への執着は消えていました。肩書きよりも、「自分はどう生きたいか」の方がはっきりしたからです。
それでも、15年間ともに歩ませていただいた会社への寂しさと感謝は、今もあります。
手放して得た現実
転職と役職の手放しは、当然ラクではありませんでした。ただ、結果としてこうなりました。
- 新しい業界で、ゼロから学び直し
- 年収は、結果的に上がった
- 家族と過ごす時間が増えた
- 妻から「表情が明るくなった」と言われた
正直、想定外でした。でも今は、はっきり思います。ノーペイン・ノーゲイン(痛みなくして得るものなし)です。
最後の日に気づいた「現場のリアル」
最後に社員へ挨拶したとき、強く感じたことがあります。「人は、納得と理解を別にして働いている」ということです。
当たり前のようで、役職にいると見えなくなる部分でした。上にいると、見えなくなるものが確実にあります。
これは、辞めたからこそ分かった視点です。
実は、辞めてからの方が、踏み込んだ相談を受けるようになりました。
肩書きがなくても、残るもの
役職を失うことは、マイナスではありませんでした。むしろ、こう感じました。
- 肩書きがなくても、評価は残る
- 経験は消えない
- 信頼は、肩書きではなく積み上げ
つまり、「自分そのものは残る」ということです。これこそが、これまでのキャリアの答え合わせができる瞬間でした。
最後に残るのは、学び続ける力
転職するまでは、役職に本当に価値を感じていました。
- 名刺を渡せば、相手の反応が変わる
- 社内でも裁量がある
- 組織を導ける
- B/SやP/Lに触れることができる
でも、環境が変わると気づきます。市場で本当に見られているのは、肩書きではなく「何ができるか」です。
- どう考えるか
- どう伝えるか
- どう動くか
- どう学び続けているか
結局、最後に残るのはここでした。
以前の私には、「勉強は若手がやるもの」という感覚がどこかにありました。今は、それがきれいに間違いだったと思っています。
社会人こそ、学びを止めた瞬間に差が開きます。
ビジネスの考え方やマネジメント、マーケティングを学び直す中で、「あの時の判断は浅かったな・・・」と思うこともあります。
私は、体系的に学ぶことを大切にしています。マネジメント、ロジカルシンキング、リーダーシップ、マーケティング、会計・財務。
管理職の経験がある人ほど、刺さる内容が多いと思います。
役職に悩んでいる人へ
もし今、この役職を続けるべきか、転職するべきか、手放すべきか迷っているなら、これだけは意識してほしいです。
① 肩書きは、あなたそのものではない
役職=あなたの価値ではありません。権威ではなく、権限です。
② 手放し方で、人生は変わる
丁寧に渡した経験は、そのまま信用になります。役職に限らず、引き継ぎは誠心誠意おこないましょう。
③ 怖さの先にしか、変化はない
変化はいつも、少し怖い側にあります。痛みも伴います。それをどう捉えるかです。
社内で管理職を降りることを考えている方は、こちらに書いています。
まとめ
- 役職は、預かりものだった
- 手放すことで、次が見えた
- ノーペイン・ノーゲインは本当だった
- 肩書きよりも、学び続けることが残る
15年間勤めた会社の役職を手放した日を、今でも覚えています。そこには、後悔よりも静かな解放感がありました。
さいごに
あの日見えた空は、今でも覚えています。やけに青かったです。
もし今、何かを手放すか迷っているなら、その先に見える景色を、一度想像してみてください。
ここが、あなたの人生で運をつかみにいく、最初のきっかけになれば幸いです。
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